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相続時精算課税制度とは?2024年改正後のメリット・注意点

公開日:2026/08/03
更新日:2026/08/17
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著者

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。

相続時精算課税制度とは、原則60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫へ贈与する場合に選択できる贈与税の制度です。
累計2500万円までの特別控除があり、2024年改正後は毎年110万円の基礎控除も使えるようになりました。
一方で、この制度で贈与した財産は、原則として贈与者が亡くなったときに相続財産へ加算して相続税を計算します。

この記事では、相続時精算課税 制度の仕組み、2024年改正、暦年課税との違い、計算例、メリット・デメリット、手続きと必要書類まで解説します。
相続と贈与の基本的な違いは「相続と贈与の違いを比較」もあわせてご確認ください。

相続時精算課税制度でまず確認したいポイント
・2024年以後は年110万円の基礎控除が創設されています
・累計2500万円の特別控除を超えた部分には一律20%の贈与税がかかります
・一度選択すると、同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻せません
・節税になるかは、贈与税だけでなく相続税まで含めて判断します

生前対策の詳細を見る

目次

相続時精算課税制度とは?まず仕組みと対象者を確認

相続時精算課税制度の仕組みと対象者を図解

相続時精算課税制度は、生前贈与の時点で一定の控除を使い、贈与者が亡くなったときに相続税で精算する制度です。
国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」では、原則として60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子または孫への贈与が対象とされています。

上位記事でも、最初に「誰が誰へ贈与できる制度か」「2500万円の特別控除とは何か」「相続時に精算するとはどういう意味か」を説明しています。
まずは対象者と精算の仕組みを押さえましょう。

項目 内容 確認ポイント
贈与者 原則60歳以上の父母または祖父母です。 年齢は贈与した年の1月1日時点で確認します。
受贈者 原則18歳以上の子または孫です。 推定相続人である子、または孫が対象になります。
基礎控除 2024年以後は毎年110万円の基礎控除があります。 この110万円部分は贈与税も相続時の加算も原則不要です。
特別控除 累計2500万円までの特別控除があります。 特別控除を使う部分は、相続時に相続財産へ加算します。
税率 2500万円を超えた部分には一律20%の贈与税がかかります。 納めた贈与税は相続税計算時に控除・精算されます。

相続時精算課税制度は「贈与時に非課税」ではなく「相続時に精算」する制度

相続時精算課税制度は、贈与時に大きな非課税枠を使える制度として紹介されることがあります。
ただし、2500万円の特別控除を使った財産は、贈与者が亡くなったときに相続財産へ加算されます。
つまり、完全に税金がなくなるというより、贈与税と相続税を通じて精算する制度です。

この制度を使うときは、贈与時の負担だけでなく、相続時に加算される金額まで確認しましょう。

対象者は原則60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫

相続時精算課税制度の対象は、贈与者と受贈者の関係や年齢が決まっています。
原則として、贈与者は60歳以上の父母または祖父母、受贈者は18歳以上の子または孫です。
叔父・叔母から甥・姪への贈与などは、通常この制度の対象にはなりません。

制度を使う前に、贈与者と受贈者の年齢・続柄を戸籍や家族関係で確認してください。

2024年改正後の相続時精算課税制度で変わったポイント

2024年改正後の相続時精算課税制度を図解

2024年の改正により、相続時精算課税制度は以前より使いやすくなりました。
特に大きいのは、毎年110万円の基礎控除が創設された点です。
国税庁「令和5年度税制改正による相続時精算課税制度等の見直し」でも、相続時精算課税に係る基礎控除の創設が整理されています。

競合上位記事でも、2024年改正は読者が知りたい中心論点として扱われています。
改正後は、年110万円の基礎控除と2500万円の特別控除を分けて考えることが重要です。

改正ポイント 2023年以前 2024年以後
年110万円の基礎控除 相続時精算課税制度には年110万円の基礎控除がありませんでした。 毎年110万円の基礎控除が創設されました。
相続財産への加算 相続時精算課税で贈与した財産は原則すべて相続時に加算されました。 年110万円の基礎控除部分は、原則として相続時の加算対象外です。
申告負担 少額贈与でも相続時精算課税を選択していると申告負担が生じやすい制度でした。 年110万円以下の贈与は、一定の場合に贈与税申告が不要になりました。
土地・建物の災害特例 贈与後に災害で被害を受けても、相続時の加算価額は原則贈与時価額でした。 一定の土地・建物について、災害被害額を控除できる特例が設けられています。

年110万円の基礎控除が新設された

2024年以後の贈与では、相続時精算課税制度にも毎年110万円の基礎控除が設けられています。
この基礎控除部分は、贈与税の課税対象から外れるだけでなく、相続時の加算対象にも原則含まれません。
そのため、従来よりも少額の贈与を継続しやすくなりました。

ただし、制度を使い始めるには選択届出書の提出が必要です。
まずは年110万円の基礎控除部分と特別控除部分の区別を明確にしましょう。

2500万円の特別控除は引き続き使える

相続時精算課税制度では、累計2500万円までの特別控除を引き続き使えます。
この特別控除は1回ごとではなく、同じ贈与者からの贈与について累計で管理します。
2500万円を超えた部分には、一律20%の贈与税がかかります。

特別控除を使った財産は、贈与者が亡くなったときに相続財産へ加算されます。
したがって、2500万円までなら完全に無税と誤解しないことが大切です。

暦年課税制度との違いを比較|どちらを選ぶべきか

暦年課税制度と相続時精算課税制度の違いを比較

相続時精算課税制度を検討するとき、多くの方が迷うのが暦年課税との違いです。
上位3記事でも、暦年課税との比較表は共通して重要な位置に置かれています。
暦年課税は毎年110万円の基礎控除を使いながら贈与する制度で、相続時精算課税制度は2500万円の特別控除と年110万円の基礎控除を使い、相続時に精算する制度です。

どちらが有利かは、家族構成、財産額、贈与する財産、相続税の見込みにより異なります。
判断の起点は、暦年課税に戻れないリスクを受け入れられるかです。

比較項目 暦年課税 相続時精算課税制度
基礎控除 受贈者ごとに年間110万円です。 贈与者ごとに年間110万円です。
大きな控除 特別控除はありません。 累計2500万円の特別控除があります。
相続時の加算 相続開始前の一定期間内の贈与は加算対象です。 年110万円の基礎控除部分を除き、原則として贈与時価額で加算します。
制度の戻しやすさ 毎年の贈与ごとに暦年課税で計算します。 一度選択すると、同じ贈与者からの贈与は暦年課税へ戻れません。
向いているケース 長期で複数人に少額ずつ贈与したい場合です。 高額財産や値上がり見込み財産を早く移したい場合です。

暦年課税が向いているケース

暦年課税は、長期間にわたって複数人へ少額ずつ贈与したい場合に向いています。
受贈者ごとに年間110万円の基礎控除を使えるため、子や孫など複数人へ分散すれば、年間の移転額を増やせます。
一方、2024年以後の暦年贈与は、相続財産への加算期間が段階的に7年へ延長されています。

暦年課税は、早めに始めて長く続けるほど効果を出しやすい制度です。
生前贈与全体の節税は「生前贈与の節税対策」でも詳しく解説しています。

相続時精算課税制度が向いているケース

相続時精算課税制度は、まとまった金額の財産を早めに移したい場合や、将来値上がりが見込まれる財産を贈与したい場合に向いています。
不動産、株式、自社株、収益物件などは、贈与後の値上がり分や収益が受贈者側に移る可能性があります。

ただし、将来評価が下がる財産では不利になることもあります。
制度選択前に、贈与時価額で相続時に加算される影響を確認しましょう。
株式の贈与は「株式の生前贈与で相続税対策」も参考になります。

相続時精算課税制度の贈与税・相続税の計算方法

相続時精算課税制度の贈与税と相続税の計算方法を図解

相続時精算課税制度では、贈与時と相続時の2段階で税金を考えます。
贈与時は、年110万円の基礎控除を差し引いた後、累計2500万円の特別控除を使います。
2500万円を超えた部分には一律20%の贈与税がかかります。

相続時には、年110万円の基礎控除部分を除き、相続時精算課税で贈与された財産を相続財産へ加算します。
贈与税率の基本は、国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率」でも確認できます。
つまり、計算の核心は贈与時の控除と相続時の加算です。

贈与額の例 贈与時の計算 相続時の扱い
毎年110万円以下 年110万円の基礎控除内なら、原則として贈与税はかかりません。 基礎控除部分は原則として相続財産へ加算されません。
1年で1000万円贈与 1000万円-110万円=890万円。
890万円は2500万円の特別控除の範囲内なら贈与税は0円です。
890万円は相続時に贈与時価額で相続財産へ加算します。
累計3000万円贈与 基礎控除後の累計が2500万円を超えた部分に20%をかけます。 特別控除を使った部分と超過部分を相続財産へ加算し、納付済み贈与税を精算します。

贈与時の計算|110万円控除後に2500万円の特別控除を使う

贈与時の計算では、まずその年の贈与額から110万円の基礎控除を差し引きます。
次に、基礎控除後の金額について、累計2500万円の特別控除を使います。
特別控除を超えた部分がある場合は、一律20%の贈与税を計算します。

例えば1年で1000万円の贈与を受けた場合、基礎控除後の890万円が特別控除の範囲に収まれば、贈与時の納税は0円です。
ただし、特別控除を使った890万円は相続時に加算されます。

相続時の計算|贈与時の価額で相続財産に加算する

相続時精算課税制度で贈与された財産は、原則として贈与時の価額で相続財産に加算されます。
贈与後に値上がりした財産であれば、値上がり前の価額で加算されるため有利になることがあります。
一方、贈与後に値下がりした場合は、贈与時の高い価額で加算される可能性があります。

このため、相続時精算課税制度は、値上がり・値下がりリスクまで見て判断する必要があります。

相続税がかからない家庭でも申告や還付が必要になる場合がある

相続時精算課税制度を使っていても、相続税の基礎控除内に収まれば、相続税がかからないケースがあります。
ただし、過去に20%の贈与税を納付している場合、相続税の申告により精算や還付が関係することがあります。
また、相続時精算課税財産を加算した結果、相続税申告が必要になることもあります。

相続税の基礎控除は「相続税の基礎控除の計算方法」も確認してください。
大切なのは、相続時精算課税財産を含めて申告要否を判定することです。

相続時精算課税制度のメリット

相続時精算課税制度のメリットを図解

相続時精算課税制度のメリットは、まとまった財産を早期に移しやすいことです。
上位記事でも、2500万円の特別控除、2024年改正後の年110万円基礎控除、値上がり資産の移転、収益物件の贈与が代表的なメリットとして扱われています。

ただし、制度のメリットは家庭ごとの財産状況によって変わります。
贈与時だけでなく、相続税と将来の財産変動まで含めて判断しましょう。

メリット 内容 向いているケース
まとまった財産を贈与しやすい 累計2500万円の特別控除を使えます。 住宅資金、不動産、株式など大きな財産を早めに移したい場合です。
年110万円の基礎控除が使える 2024年以後は毎年110万円の控除があり、原則相続時加算も不要です。 少額贈与を継続したい場合です。
値上がり資産に使いやすい 相続時は原則贈与時価額で加算します。 将来値上がりが見込まれる株式や不動産を移したい場合です。
収益を次世代へ移せる 賃貸不動産などを贈与すると、贈与後の収益を受贈者へ移せます。 相続財産の増加を抑えたい場合です。

まとまった財産を早めに贈与できる

相続時精算課税制度では、累計2500万円までの特別控除を使えるため、まとまった財産を早めに移しやすくなります。
例えば住宅取得資金、不動産、株式など、暦年課税で少しずつ移すには時間がかかる財産でも、制度を使えば一度に贈与しやすくなります。

ただし、相続時に加算される点は変わりません。
メリットは、早期移転による効果が見込める場合に大きくなります。

将来値上がりする財産の相続税対策になることがある

相続時精算課税制度では、相続時に加算される価額は原則として贈与時の価額です。
そのため、贈与後に値上がりした財産では、値上がり分を受贈者側に移せる可能性があります。
自社株や成長株、再開発予定地、収益物件などでは検討余地があります。

ただし、値上がりが確実とは限りません。
この制度は値上がり見込み財産に使うと効果を出しやすい一方、評価下落時には不利になることもあります。

賃貸収入などの収益を次世代へ移せる

賃貸不動産や配当を生む株式を贈与すると、贈与後の収益は原則として受贈者に帰属します。
これにより、贈与者側の財産増加を抑え、次世代の資金形成にもつながります。
相続税対策では、財産そのものだけでなく、将来増える収益も重要です。

収益物件を贈与する場合は、不動産取得税や登録免許税もかかります。
節税効果を見るには、税金コストと収益移転効果を比較しましょう。

相続時精算課税制度のデメリット・注意点

相続時精算課税制度のデメリットと注意点を図解

相続時精算課税制度は便利な制度ですが、デメリットも明確です。
競合上位記事でも、一度選ぶと暦年課税に戻れないこと、不動産贈与のコスト、小規模宅地等の特例との関係、評価下落リスクが強く説明されています。

制度名だけを見ると「2500万円まで非課税」と感じやすいですが、実務では相続時に精算する制度として注意点を確認する必要があります。

注意点 内容 対策
暦年課税に戻れない 一度選択すると、同じ贈与者からの贈与は暦年課税へ戻せません。 将来の贈与計画を作ってから選択します。
相続時に財産を加算する 年110万円の基礎控除部分を除き、原則贈与時価額で相続財産へ加算します。 相続税の見込みをシミュレーションします。
評価下落リスクがある 贈与後に財産価値が下がっても、贈与時価額で加算される可能性があります。 値動きが大きい財産は慎重に判断します。
不動産贈与のコストが高い 登録免許税や不動産取得税が相続より重くなることがあります。 贈与と相続のコスト差を比較します。
小規模宅地等の特例が使えない可能性 生前贈与した土地は、相続財産ではないため小規模宅地等の特例の対象外になることがあります。 土地は特例の有無まで確認してから贈与します。

一度選択すると同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻せない

相続時精算課税制度で最も重要な注意点は、一度選択すると、同じ贈与者からの贈与について暦年課税に戻れないことです。
例えば父からの贈与について相続時精算課税制度を選ぶと、以後の父からの贈与は原則として同制度で処理します。
母や祖父母など別の贈与者については、それぞれ別に判断します。

制度選択は、贈与者ごとに長期固定される判断として慎重に行いましょう。

不動産贈与では登録免許税・不動産取得税が重くなることがある

不動産を生前贈与する場合、贈与税だけでなく登録免許税や不動産取得税も確認が必要です。
相続による所有権移転登記より、贈与による所有権移転登記の登録免許税率の方が高くなるのが一般的です。
また、不動産取得税も発生することがあります。

不動産の贈与は、相続税の節税効果だけでなく、登記費用・取得税・専門家費用まで含めて判断しましょう。

小規模宅地等の特例を使えなくなる可能性がある

小規模宅地等の特例は、一定の宅地について相続税評価額を大きく減額できる制度です。
しかし、生前贈与で土地を移してしまうと、その土地は相続財産ではなくなるため、相続時に小規模宅地等の特例を使えない可能性があります。
土地を贈与する場合は、相続で取得した方が有利なこともあります。

土地の相続税対策では、小規模宅地等の特例との比較を必ず行いましょう。

贈与後に財産価値が下がると不利になることがある

相続時精算課税制度では、相続時に加算する価額が原則として贈与時の価額になります。
贈与後に値上がりすれば有利に働くことがありますが、反対に値下がりすると不利になることがあります。
特に株式や不動産は、経済状況によって価額が変動します。

この制度を使う財産は、将来価値の見通しを踏まえて選びましょう。

相続時精算課税制度の手続きと必要書類

相続時精算課税制度の手続きと必要書類を図解

相続時精算課税制度を使うには、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、税務署へ相続時精算課税選択届出書を提出します。
国税庁の「No.4103」でも、選択する最初の贈与を受けた年の翌年の申告期間内に届出書を提出することが示されています。
また、贈与額が基礎控除110万円を超える場合は、贈与税申告書も必要です。

実際に使う様式は、国税庁「贈与税の申告書等の様式一覧」で確認できます。
手続きの詳しい書き方は「相続時精算課税選択届出書の書き方」で解説しています。
まずは届出書と申告書の要否を整理しましょう。

ケース 提出する書類 提出期限・注意点
初めて相続時精算課税制度を選択する 相続時精算課税選択届出書、本人確認書類、必要に応じて戸籍関係書類など 贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに提出します。
年110万円以下の贈与 初回選択時は届出書が必要です。
一定の場合、贈与税申告書は不要です。
届出書を出していないと制度を選択したことになりません。
年110万円を超える贈与 相続時精算課税選択届出書、贈与税申告書、計算明細書など 特別控除の範囲内でも申告が必要です。
2500万円を超える贈与 贈与税申告書、計算明細書、納税手続きに必要な資料 超過部分に20%の贈与税がかかります。

相続時精算課税選択届出書を提出する

相続時精算課税制度を選ぶには、相続時精算課税選択届出書を提出します。
届出書は、制度を選択する最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに提出します。
期限内に提出しないと、その年の贈与について制度を適用できない可能性があります。

書類の記載方法で迷う場合は、届出書の提出期限と添付書類を早めに確認しましょう。

贈与税申告書が必要になるケースを確認する

2024年以後は、相続時精算課税制度にも年110万円の基礎控除があるため、年110万円以下の贈与では贈与税申告が不要になるケースがあります。
一方、年110万円を超える贈与では、特別控除の範囲内で納税が出ない場合でも、贈与税申告書の提出が必要です。

贈与額だけでなく、過去に同じ贈与者から受けた贈与の累計額も確認します。
実務では110万円超かどうかと累計2500万円の残額をセットで見ます。

税務署・e-Tax・郵送など提出方法を決める

届出書や贈与税申告書は、税務署の窓口、郵送、e-Taxなどで提出できます。
書類不足や期限遅れがあると、制度を使えない、または申告内容の修正が必要になることがあります。
提出前には、本人確認書類、戸籍関係書類、贈与契約書、財産評価資料を確認しましょう。

相続時精算課税制度は、最初の届出が重要です。
不安がある場合は、提出前に専門家へ確認するのがおすすめです。

相続時精算課税制度の判断や申告準備をまとめて進めたい方へ

相続時精算課税制度は、贈与税だけでなく相続税申告、財産評価、贈与契約書、将来の遺産分割まで関係します。
相続アシストでは、相続税の見込み、贈与計画、必要書類の整理、相続発生後の申告までまとめて相談できます。

制度を選ぶ前に、相続税まで含めた試算を行うと安心です。

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相続時精算課税制度に関するよくある質問

相続時精算課税制度に関するよくある質問を図解

相続時精算課税制度について、よくある質問を整理します。
制度の判断は、贈与者ごと、受贈者ごと、財産ごとに結論が変わるため、一般論だけで決めないことが大切です。

Q. 相続時精算課税制度は節税になりますか?

節税になる場合もありますが、必ず節税になる制度ではありません。
年110万円の基礎控除部分は有利に使いやすい一方、2500万円の特別控除を使った財産は相続時に加算されます。
値上がり財産や収益物件では効果が出ることがありますが、評価下落や小規模宅地等の特例を失う場合は不利になることもあります。

判断には、贈与税と相続税の総額比較が必要です。

Q. 年110万円以下なら届出書も不要ですか?

相続時精算課税制度を初めて選択する場合は、年110万円以下の贈与であっても、相続時精算課税選択届出書の提出が必要です。
届出書を提出して初めて、その贈与者からの贈与について相続時精算課税制度を選択したことになります。
一方、制度選択後の年110万円以下の贈与では、一定の場合に贈与税申告が不要になります。

混同しやすいので、届出書の要否と申告書の要否を分けて考えましょう。

Q. 父と母の両方から贈与を受ける場合はどうなりますか?

相続時精算課税制度は、贈与者ごとに選択します。
父からの贈与について制度を選んでも、母からの贈与まで自動的に相続時精算課税制度になるわけではありません。
父、母、祖父、祖母など、贈与者ごとに制度選択と控除額を管理します。

複数の贈与者がいる場合は、贈与者ごとの累計管理が重要です。

Q. 相続放棄をした場合でも精算課税の贈与財産は関係しますか?

相続時精算課税制度で贈与を受けた人が相続放棄をした場合でも、相続税の計算上は贈与財産の扱いを確認する必要があります。
相続放棄は民法上の相続人ではなくなる手続きですが、税法上の計算では過去の贈与や相続税の申告要否が問題になることがあります。

相続放棄と生前贈与の関係は「生前贈与を受けても相続放棄はできる?」も参考にしてください。
実務では相続放棄後の税務上の扱いを個別に確認しましょう。

まとめ|相続時精算課税制度は相続税まで見て判断する

相続時精算課税制度は相続税まで見て判断する

相続時精算課税制度は、2024年改正により年110万円の基礎控除が創設され、従来より使いやすくなりました。
累計2500万円の特別控除を使えば、まとまった財産を早期に移せるため、値上がり財産や収益物件の贈与では効果が出ることがあります。

一方で、一度選択すると同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻れません。
また、特別控除を使った財産は相続時に加算されるため、2500万円まで完全に非課税と考えるのは危険です。

制度を使うかどうかは、贈与税、相続税、財産評価、家族関係、将来の手続きまで含めて判断しましょう。
不動産や株式を贈与する場合、相続税申告が見込まれる場合、過去の贈与が複数ある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
相続税申告や生前対策をまとめて相談したい方は、相続アシストをご確認ください。

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関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
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