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土地の贈与税はいくら?計算方法・評価額・相続との違いを解説

公開日:2026/08/10
更新日:2026/08/10
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著者

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。

親から子へ土地を譲るとき、「現金ではないから贈与税は少ないのでは」と考える方もいます。しかし土地の贈与税は、売買価格ではなく相続税評価額を基準に計算されるため、思った以上の負担になることがあります。
さらに、贈与では贈与税だけでなく、登録免許税や不動産取得税、登記費用も確認が必要です。

土地の贈与税でまず確認したいポイント
・贈与税は土地の売買価格ではなく、路線価などで求める評価額を基準にする
・暦年課税は年110万円の基礎控除後に税率をかけて計算する
・相続時精算課税は贈与税を抑えられても、将来の相続税まで見て選ぶ必要がある
・贈与と相続では、登記費用や小規模宅地等の特例の扱いが異なる

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土地の贈与税とは?まずは評価額を基準に考える

土地の贈与税の基本を示す図解

土地を無償で受け取ると、原則として受け取った人に贈与税がかかります。親子間でも、土地の名義を無償で移せば贈与として扱われます。
税額計算の出発点は、不動産会社の査定額や固定資産税評価額そのものではなく、贈与時点の相続税評価額です。国税庁の評価ルールに従って計算します。

また、極端に低い価格で土地を売った場合も、時価との差額について贈与税が問題になることがあります。名義だけを変える、持分を無償で動かすといった整理も、実質的な利益が移るなら慎重な検討が必要です。
参考: 国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」

土地の評価額はどう調べる?路線価方式と倍率方式

土地評価額の路線価方式と倍率方式を示す図解

土地は所在地ごとに、路線価方式または倍率方式で評価します。どちらを使うかは任意に選べず、対象地の所在地で決まります。
路線価方式では、道路に付された1平方メートル当たりの路線価に、地積と土地形状に応じた補正率を掛けて評価します。路線価が設定されていない地域では、固定資産税評価額に評価倍率を掛ける倍率方式を使います。

方式 主な計算の考え方 確認先
路線価方式 路線価×地積×各種補正率。奥行・間口・不整形地などを考慮します。 国税庁の路線価図
倍率方式 固定資産税評価額×評価倍率。地目ごとの倍率を確認します。 国税庁の評価倍率表

土地に私道、貸宅地、賃貸住宅、複数の道路への接面などがあると、評価は複雑になります。概算と申告用の評価は分けて考えることが大切です。
参考: 国税庁「No.4602 土地家屋の評価」路線価図・評価倍率表

土地の贈与税はいくら?暦年課税の計算方法

土地の贈与税の計算方法を示す図解

暦年課税では、1月1日から12月31日までに受け取った贈与財産の合計額から、基礎控除110万円を差し引き、残額に税率を掛けて控除額を引きます。土地以外に同年中にもらった現金や株式があれば、合算して計算します。

贈与税額の基本式
(土地などの贈与財産の評価額の合計-110万円)×税率-控除額

父母・祖父母などの直系尊属から、その年の1月1日に18歳以上の子・孫が受ける贈与は、一定の条件で特例税率が使えます。それ以外は一般税率です。土地の評価額が大きいと税率も上がるため、110万円だけを基準に「税金はかからない」と判断するのは危険です。
参考: 国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」

暦年課税と相続時精算課税、土地の贈与ではどちらを選ぶ?

暦年課税と相続時精算課税の比較図

土地のように評価額が大きい財産では、相続時精算課税の利用を検討する場面があります。60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与など、利用には要件があります。
この制度では、2024年以後の贈与について年110万円の基礎控除に加え、累計2,500万円の特別控除があり、超過分には一律20%が課税されます。ただし、相続時には基礎控除分を除く贈与財産の価額を相続税の計算に加算します。

比較項目 暦年課税 相続時精算課税
控除 年110万円 年110万円と累計2,500万円の特別控除
相続時の扱い 相続開始前の贈与加算ルールを確認 原則として贈与時の価額を相続税計算に加算
選択後 制度選択は不要 同じ贈与者からは暦年課税へ戻せない

贈与税がゼロでも、相続税までゼロとは限りません。 土地の値上がり見込み、他の相続財産、相続人の人数を合わせて比較しましょう。
参考: 国税庁「No.4409 贈与税の計算(相続時精算課税)」

土地の評価と制度選びを一緒に整理したい方へ

土地の贈与は、贈与税だけを見て制度を選ぶと、将来の相続税や登記費用を見落としがちです。
相続人・土地の利用状況・他の財産を整理したうえで、贈与と相続のどちらが適しているかを比較することが重要です。

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土地の贈与で贈与税以外にかかる費用

土地贈与でかかる費用を示す図解

土地の贈与では、贈与税のほかに所有権移転登記の登録免許税、不動産取得税、司法書士報酬、必要書類の取得費用などが生じます。
贈与による所有権移転登記の登録免許税は、原則として固定資産税評価額の2%です。相続による移転登記の原則0.4%と比べると、負担差が出やすい項目です。

不動産取得税も贈与では原則として課税されます。税率や軽減措置は不動産の種類・取得時期・都道府県により異なるため、贈与前に自治体と専門家へ確認してください。
参考: 法務省「登録免許税の計算」

土地は贈与と相続のどちらが得?比較するときのポイント

土地を贈与した場合と相続した場合の比較図

土地を早く活用したい、将来の値上がりを見込む、特定の子へ確実に渡したいといった事情では、生前贈与に意味があります。反対に、自宅や事業用の土地では、相続で取得することで小規模宅地等の特例を使える可能性があります。
そのため、単純に「贈与税が安いか」だけでは決められません。

確認項目 贈与を検討しやすい例 相続と比べ直したい例
利用開始の時期 子がすぐに建築・活用・管理を始める 親が引き続き居住・利用する
土地の特例 相続時の特例に影響が少ない 小規模宅地等の特例の可能性がある
付随コスト コストを含めても早期移転の利益が大きい 登記・取得税の差が大きい

小規模宅地等の特例は、相続または遺贈により取得した宅地等が対象です。生前に贈与した土地は原則として対象外のため、居住用・事業用の土地は特に慎重な比較が必要です。
参考: 国税庁「No.4124 小規模宅地等の特例」

土地を贈与するときの手続きの流れと必要書類

土地贈与の手続きの流れを示す図解

土地の贈与は、口頭で合意するだけで終わらせず、評価・契約・登記・申告の順で進めます。後で贈与の事実や対象土地を説明できるよう、贈与契約書と登記関係書類を残すことが重要です。

  1. 登記事項証明書、固定資産税評価証明書、路線価図などで対象土地と評価の前提を確認する
  2. 誰が、どの土地を、いつ贈与するかを贈与契約書に明記する
  3. 法務局へ所有権移転登記を申請する
  4. 贈与税がかかる場合は、受贈者が申告・納税する

贈与税の申告と納税は、原則として贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。期限日が休日の場合は翌開庁日になるため、その年の受付期間を国税庁で確認しましょう。
参考: 国税庁「No.4429 贈与税の申告と納税」

土地の贈与で失敗しないための注意点

土地贈与の注意点を示す図解

名義だけを変えればよいわけではありません。 贈与の意思、受け取る側の承諾、実際の登記、税務申告がつながっていないと、家族間の認識違いや税務上の説明不足につながります。

  • 共有土地の持分を動かすときは、どちらの経済的利益が増えるかを確認する
  • 相続時精算課税は一度選択すると同じ贈与者から暦年課税へ戻せない
  • 親の自宅・事業用土地は、小規模宅地等の特例を失わないか確認する
  • 贈与後も親が無償で使い続けるなど、実態と契約がずれないようにする

特に、土地と預貯金を合わせて相続対策を考える場合は、土地単体の税額だけで決めないことが大切です。

土地の贈与税に関するよくある質問

土地贈与税のよくある質問を示す図解

土地の評価額が110万円以下なら贈与税はかかりませんか?

その年に受け取ったすべての贈与財産の合計が110万円以下であれば、暦年課税では原則として贈与税はかかりません。ただし、土地の評価額は売買価格ではなく相続税評価額で判定し、他の贈与も合算します。

親子間で土地の名義を変えるだけでも贈与税はかかりますか?

無償で所有権や持分を移すなら、親子間でも贈与税の対象になり得ます。売買として扱う場合も、著しく低い価額なら差額が贈与と判断される可能性があります。

相続時精算課税なら土地の贈与税は必ずゼロですか?

年110万円の基礎控除と累計2,500万円の特別控除の範囲であれば贈与税額は生じませんが、相続時には基礎控除分を除く贈与財産を相続税の計算に加算します。相続税・登記費用まで比較して選びましょう。

土地の贈与と相続の判断に迷ったら生前対策を相談する

土地贈与の生前対策相談を示す図解

土地の贈与は、家族の住まい・事業・将来の相続税に直結します。土地の評価、贈与税、相続税、名義変更の費用、相続人間のバランスをまとめて確認すると、無理のない承継方法を選びやすくなります。
生前対策を検討している方は、財産全体を見ながら専門家に相談することをおすすめします。

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まとめ

土地の贈与税のまとめを示す図解

土地の贈与税は、路線価などで算定する相続税評価額を基準に計算します。暦年課税と相続時精算課税の選択、登録免許税・不動産取得税、相続時の小規模宅地等の特例まで含めて比較することが重要です。
土地を早めに活用したい事情がある場合でも、贈与を実行する前に相続まで含めた資産全体の設計を確認しましょう。

この記事を担当した税理士

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

経歴
関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
一言
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