
著者
税理士法人SWATS
代表 柴田 潤
関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
目次
火葬許可証は、亡くなった方を火葬するために必要な公的書類です。
死亡届を市区町村役場へ提出し、あわせて火葬許可申請を行うことで交付されます。
火葬許可証は火葬当日に火葬場へ提出し、火葬後は火葬済みの証明が入った書類として返却されます。
この返却後の書類は、納骨の際に埋葬許可証として必要になるため、火葬が終わったあとも大切に保管しなければなりません。
この記事では、火葬許可証の意味、死亡届との関係、取得の流れ、紛失した場合の再発行、相続手続きで確認すべきポイントまで整理します。
・火葬許可証は、遺体を火葬するために必要な市区町村発行の書類です
・死亡届と火葬許可申請書を提出すると、火葬許可証が交付されます
・火葬後は火葬済みの証明が入った書類として返却され、納骨時に必要になります
・紛失した場合は、発行した自治体や火葬場に早めに相談します
・死亡届提出後は、年金、健康保険、相続税申告、相続登記などの手続きも続きます
火葬許可証とは火葬を行うための公的な許可書類

火葬許可証とは、市区町村が「この遺体を火葬してよい」と認めたことを示す書類です。
火葬場では、火葬許可証の提出がなければ原則として火葬を進められません。
法律上、死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。
また、墓地、埋葬等に関する法律では、原則として死亡後24時間を経過した後でなければ埋葬または火葬をしてはならないとされています。
死亡届の提出先や届出期間は、法務省「死亡届」でも確認できます。
火葬許可証と埋葬許可証の違い
火葬許可証は、火葬前に使う書類です。
火葬が終わると、火葬場で火葬済みであることを証明する印や記載が加えられ、遺族へ返却されます。
この返却後の書類は、納骨の際に埋葬許可証として扱われることがあります。
つまり、同じ書類が「火葬前は火葬許可証」「火葬後は納骨に必要な証明書類」として役割を変えるイメージです。
火葬許可証が必要になる場面
火葬許可証が必要になる代表的な場面は、火葬場で火葬を行うときです。
葬儀社が手続きを代行している場合、火葬許可証を葬儀社が預かっていることもあります。
火葬後に返却された書類は、墓地や納骨堂へ納骨するときにも必要です。
四十九日法要に合わせて納骨するケースだけでなく、一周忌や三回忌など後日に納骨する場合もあるため、紛失しない保管が重要です。
火葬許可証の取得方法|死亡届と同時に申請する

火葬許可証は、死亡届の提出と同時に申請するのが一般的です。
死亡届だけを出せば自動的に必ず交付されるというより、自治体の窓口で火葬許可申請書もあわせて提出し、火葬場所や火葬予定日などを確認して交付を受ける流れです。
提出先は死亡地・本籍地・届出人の所在地の市区町村役場
死亡届の提出先は、亡くなった方の死亡地、本籍地、届出人の所在地のいずれかの市区町村役場です。
故人の住所地であっても、この3つに該当しない場合は提出できないことがあるため注意してください。
火葬許可証の交付は、死亡届を提出した自治体で行われるのが通常です。
火葬場の予約状況や自治体の運用により、申請時に火葬場所や火葬日時を記入する場合があります。
必要書類と持ち物
火葬許可証の取得で主に必要になるものは、死亡診断書または死体検案書と一体になった死亡届、火葬許可申請書、届出人の印鑑、本人確認書類などです。
印鑑や本人確認書類の要否は自治体によって異なるため、事前に窓口へ確認すると安心です。
| 書類・持ち物 | 確認ポイント |
|---|---|
| 死亡届 | 死亡診断書または死体検案書と一体の用紙を使用します |
| 火葬許可申請書 | 火葬場、火葬予定日、申請者情報などを記入します |
| 届出人の印鑑 | 自治体により不要な場合もありますが、持参すると安心です |
| 本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカードなどを準備します |
葬儀社が提出を代行するケースも多い
実務上は、葬儀社が死亡届の提出や火葬許可証の取得をサポートするケースが多くあります。
ただし、死亡届の届出人欄は、親族など法律上届出ができる人が記入する必要があります。
葬儀社に依頼する場合でも、どの役所へ提出するのか、火葬許可証を誰が保管しているのか、火葬後にどのタイミングで返却されるのかを確認しておきましょう。
死亡後の書類整理までまとめて進めたい方へ
火葬許可証の取得が終わっても、死亡届提出後には戸籍、年金、健康保険、預貯金、生命保険、不動産、相続税申告などの手続きが続きます。
必要書類の整理や期限管理に不安がある場合は、相続手続き全体を早めに確認しておくと安心です。
火葬当日に火葬許可証を使う流れ

火葬当日は、火葬場の受付や管理事務所へ火葬許可証を提出します。
葬儀社が同行する場合は、葬儀社が火葬許可証を持参し、受付手続きを進めることもあります。
火葬場へ提出しなければ火葬できない
火葬許可証は、火葬場が火葬を行うための確認書類です。
火葬場に到着してから「誰が持っているかわからない」となると、火葬の進行に支障が出るおそれがあります。
葬儀の前日までに、火葬許可証を遺族が持参するのか、葬儀社が預かっているのかを確認しておきましょう。
火葬後は必ず返却された書類を受け取る
火葬が終わると、火葬済みであることを示す記載や押印がされた書類が返却されます。
この書類は、納骨の際に墓地や霊園、納骨堂の管理者へ提出することがあります。
骨壺と一緒に白木箱へ納められる場合もありますが、自治体や火葬場、葬儀社の扱いによって異なります。
火葬後は、返却書類がどこに入っているかを確認し、家族内でも保管場所を共有してください。
火葬後の火葬許可証は納骨まで保管する

火葬許可証は、火葬が終わった時点で役割を終えるわけではありません。
火葬後に返却された書類は、納骨時に必要になるため、納骨が終わるまで保管します。
納骨時に墓地や霊園へ提出する
お墓、霊園、納骨堂などへ遺骨を納める際、管理者から火葬済みの証明が入った書類の提出を求められることがあります。
この書類がないと、納骨手続きを進められない場合があります。
納骨は四十九日法要に合わせて行うことが多い一方で、お墓の準備が整っていない場合は時期が後ろにずれることもあります。
時間が空くほど紛失しやすいため、重要書類として一か所に保管しておきましょう。
コピーを取っても原本の代わりにはならない
紛失防止のためにコピーや写真を残しておくことは有効ですが、納骨時には原本の提出を求められることがあります。
コピーだけで対応できるかは墓地や霊園の運用によって異なるため、原本保管が基本です。
家族の誰か一人だけが保管場所を知っている状態にすると、後日探せなくなることがあります。
相続関係の書類、戸籍、葬儀関係の領収書などと一緒に、保管場所を共有しておくと安心です。
火葬許可証を紛失した場合の再発行

火葬許可証を紛失した場合は、まず発行した市区町村役場へ相談します。
死亡届を提出し、火葬許可証の交付を受けた自治体が基本の相談先です。
発行から時間が経つと再発行が難しいことがある
自治体によっては、火葬許可に関する記録の保存期間や再交付の取扱いが決まっています。
発行から長期間経過している場合、自治体だけでは再発行できないことがあります。
この場合、火葬を行った火葬場で火葬証明書などを発行してもらい、納骨先と相談しながら手続きを進めることがあります。
必要書類や申請できる人は自治体ごとに異なるため、自己判断せず窓口へ確認してください。
再発行を急ぐべきケース
納骨日が近い、改葬を予定している、墓地の管理者から提出を求められているといった場合は、早めに再発行の相談をしましょう。
特に改葬では、現在の墓地から別の墓地へ遺骨を移すため、自治体や墓地管理者との手続きが増えます。
火葬許可証が見当たらない場合でも、骨壺の箱、葬儀社から受け取った書類一式、仏壇周辺、納骨関係の封筒などに入っていることがあります。
まずは書類の保管場所を確認したうえで、見つからなければ自治体へ相談してください。
火葬許可証に関する注意点

火葬許可証は、葬儀の流れの中で短期間に取得して使うため、遺族が内容を十分に確認できないまま手続きが進むこともあります。
しかし、火葬や納骨に関わる重要書類であるため、いくつかの注意点を押さえておきましょう。
死亡届の提出期限に遅れない
死亡届は、国内で亡くなった場合、死亡の事実を知った日から7日以内に提出します。
死亡届が提出されなければ、火葬許可証の交付も受けられません。
葬儀の日程、火葬場の予約、親族への連絡などで慌ただしい時期ですが、役所手続きの期限は優先して確認してください。
夜間・休日は交付タイミングを確認する
多くの自治体では、夜間や休日でも死亡届の時間外受付を行っています。
ただし、時間外は書類を預かるだけで、正式な審査や火葬許可証の交付が翌開庁日になる場合があります。
火葬日が近い場合は、時間外に提出しても火葬許可証がいつ受け取れるのかを必ず確認しましょう。
火葬後の書類を葬儀書類と分けない
火葬後に返却された書類は、納骨まで期間が空くほど紛失しやすくなります。
葬儀費用の領収書、死亡診断書のコピー、会葬関係の書類などとは別に、相続書類一式として保管しておくと探しやすくなります。
後日、相続税申告や相続登記で戸籍や財産資料を集める際にも、死亡に関する書類がまとまっていると手続きの見通しを立てやすくなります。
火葬許可証の後に続く相続手続き

火葬許可証の取得は、死亡後の最初の手続きの一つです。
ただし、葬儀と火葬が終わっても、相続手続きはそこから本格的に始まります。
戸籍や住民票の除票を取得する
相続手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍、住民票の除票などが必要になることがあります。
死亡届が戸籍に反映されるまでには、提出先や本籍地によって数日から1週間程度かかる場合があります。
預貯金の解約、不動産の名義変更、相続税申告では、戸籍収集が最初の大きな作業になります。
火葬許可証の手続きが終わったら、次に必要な戸籍を確認しましょう。
相続税申告が必要か確認する
相続税申告が必要かどうかは、遺産総額が基礎控除を超えるかで判断します。
基礎控除は「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」です。
不動産、預貯金、有価証券、生命保険金、死亡退職金などを整理し、申告が必要になる可能性がある場合は早めに財産資料を集めます。
相続税申告の期限は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
不動産がある場合は相続登記も確認する
亡くなった方が土地や建物を所有していた場合は、相続登記も確認が必要です。
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請する必要があります。
火葬許可証そのものが相続登記で必ず必要になるわけではありませんが、死亡後の書類整理を進める流れで、戸籍や固定資産関係書類も集めておくと後の負担を減らせます。
火葬許可証に関するよくある質問

ここでは、火葬許可証についてよくある質問を整理します。
Q1. 火葬許可証の発行に費用はかかりますか?
死亡届の提出自体に手数料はかかりません。
火葬許可証の交付手数料も無料の自治体が多いですが、自治体によって扱いが異なる場合があります。
一方で、医師が作成する死亡診断書や死体検案書には費用がかかるのが一般的です。
火葬場の使用料も別途発生するため、葬儀社や自治体に確認しましょう。
Q2. 火葬許可証は誰が申請できますか?
通常は、死亡届の届出人となる親族などが申請します。
実務上は葬儀社が役所へ書類を持参することもありますが、その場合も届出人欄は親族など届出資格のある人が記入します。
届出人になれる人や提出できる場所は戸籍法のルールに関わるため、迷う場合は市区町村役場へ確認してください。
Q3. 土日祝日や夜間でも火葬許可証を受け取れますか?
死亡届は時間外受付で提出できる自治体が多いものの、火葬許可証の交付まで行えるかは自治体によって異なります。
時間外は書類の預かりのみとなり、翌開庁日に正式受理や交付となる場合があります。
火葬日が迫っている場合は、交付可能な時間帯を事前に確認しましょう。
Q4. 火葬許可証のコピーで納骨できますか?
原則として、納骨先からは火葬済みの証明が入った原本の提出を求められることが多いです。
コピーで対応できるかは墓地、霊園、納骨堂の管理者によって異なります。
コピーを残すことは紛失時の確認資料として役立ちますが、原本の代わりになるとは限らないため、原本は納骨まで保管してください。
Q5. 火葬許可証をなくしたらどこに相談すればよいですか?
まず、火葬許可証を発行した市区町村役場へ相談します。
再交付できるか、誰が申請できるか、必要書類は何かを確認しましょう。
発行から長期間経っている場合は、火葬場が発行する火葬証明書などで対応することがあります。
納骨先によって求められる書類が異なるため、自治体と納骨先の両方へ確認するとスムーズです。
火葬後の相続手続きに不安がある場合は早めに相談する

火葬許可証の取得や火葬当日の手続きは、葬儀社のサポートで進むことが多いです。
一方で、火葬後に始まる相続手続きは、遺族自身で期限や必要書類を管理しなければならない場面が増えます。
預貯金や不動産がある、相続人が多い、相続税申告が必要か分からない、相続放棄を検討しているといった場合は、早めに専門家へ相談すると安心です。
相続税申告や周辺手続きをまとめて相談したい場合は、相続アシストもあわせてご確認ください。
まとめ|火葬許可証は火葬後も納骨まで大切に保管する

火葬許可証は、火葬を行うために必要なだけでなく、火葬後の納骨にも関わる重要書類です。
死亡届と同時に申請し、火葬当日に提出し、火葬後に返却された書類を納骨まで保管する流れを押さえておきましょう。
紛失した場合は、発行した自治体へ相談し、必要に応じて火葬場の証明書なども確認します。
また、火葬後は戸籍収集、財産調査、相続税申告、不動産の名義変更などが続くため、相続手続きの期限管理も早めに始めることが大切です。
この記事を担当した税理士

税理士法人SWATS
代表 柴田 潤
- 経歴
- 関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
- 一言
- 複雑な相続税申告や手続きは、専門知識と経験が不可欠です。税理士法人SWATSは法律事務所と連携し、安心のワンストップ対応を実現しています。

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