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孫への教育資金贈与は非課税?2026年終了後の方法と注意点

公開日:2026/08/10
更新日:2026/08/10
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著者

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。

孫への教育資金贈与を検討するときは、まず「どの制度を使うのか」を分けて考える必要があります。
以前は、祖父母などから孫へ教育資金を一括で贈与する場合、一定要件を満たせば最大1,500万円まで贈与税が非課税になる制度がありました。
しかし、国税庁「No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税」では、この特例は令和8年3月31日までで終了し、令和8年4月1日以後は新たに適用を受けられないとされています。
つまり、2026年8月時点でこれから孫へ教育資金を贈与する場合は、一括贈与特例ではなく、都度贈与・暦年贈与・相続時精算課税などを比較することが重要です。

孫への教育資金贈与でまず確認したいポイント
・教育資金の一括贈与の非課税制度は、2026年3月31日で新規適用が終了しています
・2026年3月31日までに契約済みの教育資金は、引き続き制度の対象になります
・祖父母が必要な教育費をその都度支払う方法は、今後も選択肢になります
・使い残しや贈与者死亡時には、贈与税や相続税がかかることがあります

生前対策の詳細を見る

孫への教育資金贈与は非課税になる?まず使える方法を整理

孫への教育資金贈与は方法を分けて考える図解

孫への教育資金贈与には、主に3つの考え方があります。
1つ目は、2026年3月31日までに利用できた「教育資金の一括贈与の非課税制度」です。これは新規適用が終了しているため、今から新たに口座を開設して使うことはできません。
2つ目は、祖父母などの扶養義務者が、入学金や授業料など必要な教育費を必要な都度、直接支払う方法です。
3つ目は、年間110万円の基礎控除を使う暦年贈与や、相続時精算課税制度を使う方法です。

方法 現在の利用可否 主なポイント
教育資金の一括贈与の非課税制度 新規利用は不可 2026年3月31日までに契約済みの場合は引き続き適用。使い残しや死亡時課税に注意。
必要な都度の教育費援助 利用可能 入学金や授業料など通常必要な教育費を、その都度支払う方法。将来分をまとめて渡すと課税リスク。
暦年贈与 利用可能 受贈者ごとに年間110万円まで基礎控除。教育目的に限定されないが、110万円超は申告判断が必要。
相続時精算課税制度 条件を満たせば利用可能 60歳以上の祖父母から18歳以上の孫などへ使える。年110万円控除と2500万円特別控除を分けて確認。

上位記事で共通する結論|教育資金の一括贈与制度は終了後の扱いが重要

一括贈与・都度贈与・暦年贈与を比較する図解

上位記事では、制度の期限、対象費用、使い残し、贈与者死亡時の扱い、手続きの順に説明されています。
特にChesterは「2026年3月まで」「過去贈与分は引き続き適用可」を前面に出し、三菱UFJ銀行系の記事は対象年齢・使い切りルール・死亡時の扱いを細かく整理しています。
NCPの記事は、制度終了後の対応として暦年贈与や相続時精算課税制度まで説明しています。
本記事でもこの構造に合わせて、終了した制度と今後使える方法を分けて解説します。

競合で重視されている項目 本記事での反映 読者が確認すべきこと
制度の期限 2026年3月31日で新規適用終了と明記 今から一括贈与特例を新規利用できると誤解しない
対象費用 学校等1,500万円枠、学校等以外500万円枠を整理 授業料、塾、習い事、留学費用などの区分
使い残し 契約終了時の贈与税課税を解説 30歳、在学時の延長、40歳到達を確認
死亡時の扱い 管理残額が相続税対象になる場合を整理 受贈者の年齢・在学状況・教育訓練の有無
終了後の代替策 都度贈与・暦年贈与・相続時精算課税を比較 孫の年齢と必要額に合わせて選ぶ

教育資金の一括贈与制度は2026年3月31日で新規終了

教育資金一括贈与は2026年3月31日で終了したことを示す図解

教育資金の一括贈与の非課税制度は、平成25年4月1日から令和8年3月31日までの間に、30歳未満の子や孫などが教育資金管理契約に基づいて贈与を受ける場合に利用できた制度です。
非課税限度額は受贈者1人につき最大1,500万円で、金融機関を通じて教育資金非課税申告書を提出する仕組みでした。

ただし、国税庁は令和8年4月1日以後、この特例の適用を受けることはできないと案内しています。
文部科学省も「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」で、信託等可能期間は延長されず令和8年3月31日までで終了したと公表しています。
したがって、2026年4月以後に新しく始めることはできない点が最重要です。

教育資金として認められる費用・認められにくい費用

学校等と学校等以外で上限が異なる対象費用の図解

すでに教育資金の一括贈与制度を利用している場合は、何が教育資金として認められるかを確認する必要があります。
国税庁や文部科学省の整理では、教育資金は大きく「学校等に直接支払う費用」と「学校等以外に支払う費用」に分かれます。
学校等への支払いは1,500万円枠の対象ですが、塾や習い事など学校等以外への支払いは1,500万円の枠内で500万円までです。

区分 対象になりやすい費用 注意点
学校等に直接支払う費用 入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費、入学試験の検定料、学用品費、修学旅行費、給食費など 幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、認定こども園、保育所などが中心です。
学校等以外に直接支払う費用 学習塾、そろばん、水泳、ピアノ、絵画などの指導料や施設使用料、通学定期券代、一定の留学渡航費など 上限は500万円。23歳以後は対象が教育訓練給付金の対象講座などに限定されます。
対象外になりやすい費用 教育目的と説明しにくい生活費、趣味性が強い支出、領収書で確認できない支出など 判断が難しい支出は、文部科学省のQ&Aや金融機関へ確認します。

使い残しや贈与者死亡時はどうなる?既存契約者の注意点

使い残しは贈与税・相続税の確認が必要なことを示す図解

教育資金の一括贈与制度で最も注意したいのが、使い残しと贈与者死亡時の扱いです。
制度を利用した時点では非課税でも、契約終了時に資金が残っている場合や、契約期間中に贈与者が亡くなった場合には、贈与税または相続税の対象になることがあります。

契約は、原則として受贈者が30歳に達したときに終了します。
ただし、30歳時点で学校等に在学している場合や、教育訓練給付金の対象となる訓練を受けている場合などは、一定の届出により最長40歳まで延長できることがあります。
使い切れなかった残額は、契約終了年の贈与税の対象になります。

場面 課税関係 確認ポイント
30歳到達などで契約終了 使い残しがある場合、その年に贈与があったものとして贈与税の対象 在学中・教育訓練中なら延長できる場合があります。
受贈者が死亡 契約は終了。使い残しは贈与税対象ではなく、受贈者の相続財産として扱われます。 相続人側で財産計上が必要になる場合があります。
贈与者が死亡 死亡日時点の管理残額が相続税対象になることがあります。 受贈者が23歳未満、在学中、一定の教育訓練中などの場合は例外があります。
贈与者の相続財産が大きい 2023年4月1日以後の拠出では、贈与者の相続税の課税価格が5億円超の場合の扱いに注意 大型資産家では税理士に確認した方が安全です。

教育資金贈与の手続き・必要書類と領収書管理

既存契約は領収書と払出し管理が重要なことを示す図解

一括贈与制度は新規終了していますが、既存契約では引き続き金融機関を通じた管理が必要です。
教育資金として払い出しを受けるには、領収書、請求書、払出請求書などを金融機関へ提出し、教育目的の支出であることを確認してもらいます。

提出期限は払出方法によって異なります。
立替後に払い出す方式では領収書等の支払年月日から1年を経過する日、その他の方式では支払年月日の属する年の翌年3月15日が目安です。
金融機関ごとに細かな運用が異なるため、契約している金融機関のルールを必ず確認しましょう。

教育資金贈与の判断や領収書整理で迷う方へ

孫への教育資金贈与は、金額だけでなく、使途、領収書、使い残し、贈与者死亡時の相続税まで確認が必要です。
生前対策として教育資金を渡す場合は、他の子や孫との公平感、将来の相続税、贈与契約の証拠もあわせて整理しておくと安心です。

生前対策の詳細を見る

2026年4月以後に孫へ教育資金を渡す3つの方法

制度終了後は別の贈与方法を選ぶ図解

教育資金の一括贈与制度が終了した後も、孫へ教育資金を援助する方法はあります。
今後は、必要な教育費をその都度支払う方法、暦年贈与、相続時精算課税制度を比較するのが基本です。
どの方法がよいかは、孫の年齢、必要額、祖父母の財産額、相続税の見込みによって変わります。

方法 向いているケース 注意点
必要な都度の教育費援助 入学金、授業料、塾代など、支払時期と金額が明確な場合 将来分をまとめて渡すと、通常必要な教育費とはいえず贈与税の対象になることがあります。
暦年贈与 教育費以外にも使える資金を、毎年少しずつ渡したい場合 孫が相続や遺贈で財産を取得しない限り、生前贈与加算の対象外になりやすい一方、名義預金には注意が必要です。
相続時精算課税制度 18歳以上の孫へまとまった資金を渡したい場合 一度選ぶと暦年課税へ戻れません。相続時に精算されるため、節税効果の試算が必要です。

孫への教育資金贈与でよくある質問

孫への教育資金贈与で迷いやすい質問の図解

祖父母が孫の授業料を直接支払っても贈与税はかかりますか?

通常必要と認められる教育費を、必要なタイミングで支払う場合は、贈与税がかからない扱いになることがあります。
ただし、将来の教育費として多額の資金を一括で孫名義の口座へ移すと、教育費の都度援助ではなく贈与と判断される可能性があります。
学校への直接振込、領収書、請求書など、教育費として支払った証拠を残しましょう。

年間110万円を超えて孫に教育資金を渡したら必ず贈与税がかかりますか?

暦年贈与として単に110万円を超える金銭を渡した場合は、贈与税の申告・納税が必要になることがあります。
一方、扶養義務者から通常必要な教育費としてその都度支払われるものは、110万円の基礎控除とは別に非課税となる場合があります。
判断のポイントは、必要な時期に必要な額を教育費として使っているかです。

海外留学費用も教育資金にできますか?

既存の一括贈与制度では、一定の外国の教育施設や留学のための渡航費などが対象になる場合があります。
ただし、対象施設、支払先、証明書類の確認が必要です。
文部科学省は留学等に関するQ&Aを公開しているため、留学費用を支払う前に金融機関へ確認しましょう。

孫への贈与は相続税対策になりますか?

孫への贈与は、子を飛ばして財産を移せるため、相続税対策として検討されることがあります。
ただし、孫が遺贈を受ける、養子になる、生命保険金を受け取るなどの場合は、相続税の2割加算や生前贈与加算が問題になることがあります。
教育資金だけでなく、相続全体の財産移転プランとして確認しましょう。

孫への教育資金贈与は生前対策全体で判断する

相続まで見据えて教育資金贈与を設計する図解

孫への教育資金贈与は、単に「贈与税がかからないか」だけで判断しない方が安全です。
祖父母の財産額、相続税の見込み、他の子や孫との公平感、贈与者が亡くなった場合の管理残額、名義預金の疑いまで確認する必要があります。

特に、教育資金の一括贈与制度は新規終了しているため、今後は都度贈与や暦年贈与をどう組み合わせるかが重要です。
生前対策として計画的に進めたい場合は、教育資金・住宅資金・暦年贈与をまとめて設計しましょう。
生前対策の診断については「生前対策」で詳しく紹介しています。

生前対策の詳細を見る

まとめ

孫への教育資金贈与は最新ルールで判断するまとめ図解

孫への教育資金贈与では、2026年3月31日まで使えた教育資金の一括贈与の非課税制度と、今後も使える都度贈与・暦年贈与・相続時精算課税制度を分けて考えることが大切です。
2026年4月1日以後は、一括贈与特例を新たに利用することはできません。
一方で、祖父母が必要な教育費をその都度支払う方法や、年間110万円の基礎控除を使う方法は引き続き検討できます。

既存契約がある場合は、使い残し、30歳・40歳の契約終了、贈与者死亡時の管理残額を確認しましょう。
これから孫へ教育資金を渡す場合は、最新の一次情報と相続全体の試算をもとに、無理のない方法を選ぶことが重要です。

この記事を担当した税理士

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

経歴
関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
一言
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