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生前贈与のやり方【2024年改正】110万円非課税枠の活用法やメリットと注意点

公開日:2026/06/25
更新日:2026/06/25
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目次

生前贈与は、将来の相続税対策として有効な手段の一つですが、2024年からの税制改正により、そのやり方や注意点が変わりました。
この改正では、年間110万円の非課税枠の扱いや、相続時精算課税制度のルールが変更されています。

正しい知識がないまま贈与を行うと、思わぬ税金が発生する可能性があります。
この記事では、新しい制度の仕組みやメリットをわかりやすく解説し、節税効果を最大化するための具体的な方法や注意点、手続きの仕方について説明します。

相続対策を検討している方は、最新の情報を基に最適な対策を講じることが重要です。
贈与税を非課税にするためのポイントを理解し、計画的に進めましょう。
生前贈与の基礎知識については「生前贈与の基礎知識」で詳しく紹介しています。

 

生前贈与で確認しておきたいポイント

・2024年改正で暦年課税の持ち戻し期間が7年に延長
・相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除が新設
・贈与契約書や銀行振込など証拠を残すことが重要
・名義預金や遺留分侵害には注意が必要

生前贈与とは?相続との違いをわかりやすく解説

生前贈与とは、生きている間に自分の財産を他の誰かに無償で渡すことです。
一方で相続は、亡くなった人の財産を、配偶者や子などの法定相続人が引き継ぐことを指します。

生前贈与と相続の最も大きな違いは、財産を渡すタイミングと相手を自由に選べるかどうかです。
生前贈与では、あげる側と受け取る側が合意すれば、好きな時に好きな相手へ財産を移転できます。

これに対し、相続は被相続人の死亡によって開始され、財産を受け取る相手は民法の規定に基づきます。
親から子へ、親族間で行うのが一般的ですが、誰に渡すか、いつ渡すかをコントロールできる点が、生前贈与の大きな特徴です。
生前贈与と相続の違いについては「相続と贈与の違い」で詳しく紹介しています。

財産を渡すタイミングが生前か死後か

生前贈与と相続の最も明確な違いは、財産が移転する時期です。
生前贈与は、贈与者が生存している間に、当事者間の合意に基づいて行われます。

これにより、贈与者は自身の意思で財産を渡すタイミングを自由に決めることが可能です。
例えば、子の結婚や住宅購入といった特定のライフイベントに合わせて資金を援助できます。

一方、相続は被相続人の死亡によって初めて開始される手続きです。
したがって、財産が相続人に渡るタイミングは、被相続人が亡くなった後となり、生前にコントロールすることはできません。
この期間の違いが、両者の根本的な性質を決定づけています。

財産を渡す相手を自由に決められるか

財産を渡す相手を自由に選べるかどうかも、生前贈与と相続の大きな違いです。
生前贈与では、財産をあげる側が、誰に渡すかを完全に自由に決められます。

法定相続人ではない孫、子の配偶者、内縁の妻、あるいは血縁関係のない他人や法人に対しても贈与が可能です。
例えば、特に世話になった親族や、支援したい団体に財産を渡したい場合に有効です。

これに対して相続では、財産を受け取る人の範囲が民法で定められた法定相続人に原則として限定されます。
親子や夫婦、兄弟姉妹などが対象者となり、それ以外の人に財産を渡すには遺言書が必要です。
孫への贈与など、特定の相手に確実に財産を残したい場合、生前贈与は有効な手段となります。

遺産分割協議の対象になるか

生前贈与された財産は、原則として遺産分割協議の対象にはなりません。
遺産分割協議とは、相続が開始された後に、法定相続人全員で遺産の分け方を話し合う手続きです。

生前贈与は相続開始前にすでに所有権が移転しているため、故人の遺産には含まれないのが基本です。
ただし、特定の相続人だけが受けた生前贈与は特別受益とみなされ、遺産分割の際に考慮される場合があります。

これは、相続人間の公平性を保つための制度です。
例えば、長男だけが多額の贈与を受けていた場合、その分を遺産に加算して各相続人の取り分を計算し直すことがあります。
このような事態を避けるためには、遺言書で意思を明確に示すなどの対策が必要です。

【2024年税制改正】生前贈与のルールはどう変わった?2つの課税制度を比較

2023年までの制度と比べ、2024年1月1日以降は生前贈与に関する税金のルールが大きく変更されました。
この改正は主に暦年課税相続時精算課税という2つの制度に影響を与えます。

これまで、多くの人が暦年課税制度の年間110万円の非課税枠を利用していましたが、今回のルール変更で、亡くなる前7年以内の贈与が相続税の対象となりました。

一方で、あまり利用されてこなかった相続時精算課税制度には、新たに年間110万円の基礎控除が設けられ、使い勝手が向上しています。
この二つの制度は併用できず、どちらか一方を選択する必要があるため、どちらが自分にとって有利かしっかり比較検討することが、今後の相続対策において極めて重要です。

暦年課税制度の仕組み|年間110万円の非課税枠と7年間の持ち戻しルール

暦年課税は、1月1日から12月31日までの1年間に受け取った贈与額が110万円以下であれば贈与税がかからない制度です。
この非課税枠を利用して、毎年少しずつ財産を移転することで、相続財産を減らす効果が期待できます。

ただし、2024年の税制改正により、亡くなる前の一定期間内に行われた贈与を相続財産に加算する持ち戻しのルールが、従来の3年から7年に延長されました。

具体的には、国税庁の情報でも示されているように、2024年1月1日以降の贈与が対象となり、相続開始前7年以内に行われた贈与が相続税の課税対象に含まれます。
ただし、延長された4年分(相続開始前3年超7年以内の期間)の贈与については、合計100万円まで控除が可能です。

相続時精算課税制度の仕組み|新設された年110万円控除の活用法

相続時精算課税制度は、原則60歳以上の親や祖父母から18歳以上の子や孫へ贈与する際に選択できる制度です。
この制度を利用すると、累計2500万円までの贈与には贈与税がかからず、超過分に一律20%の税率が適用されます。

そして、贈与者が亡くなった際に、贈与された財産を相続財産に加算して相続税を計算し、すでに支払った贈与税額を精算します。

2024年からは、この2500万円の特別控除枠とは別に、新たに年間110万円の基礎控除が創設されました。
この110万円以下の贈与は、相続財産への加算が不要で、贈与税の申告も必要ありません。
これにより、暦年課税のように毎年非課税で贈与を進められるようになり、制度の活用メリットが大幅に高まりました。

結局どっちがお得?暦年課税と相続時精算課税の選び方

2024年の税制改正により、暦年課税と相続時精算課税のどちらを選ぶべきか、その判断はより複雑になりました。
どちらの制度が有利になるかは、個々の資産状況、家族構成、そして将来の計画によって大きく異なります。

暦年課税は長期間にわたって少しずつ贈与したい場合に適していますが、7年間の持ち戻しリスクを考慮する必要があります。

一方、相続時精算課税は、新設された110万円の基礎控除により、毎年非課税で贈与しつつ、将来価値が上がる資産を早めに移転したい場合に有利です。
それぞれの制度のメリット・デメリットを正しく理解し、自身の状況に合った選択をすることが重要です。

暦年課税がおすすめな人の特徴

暦年課税がおすすめなのは、相続税の心配がない人や、長期間にわたって多くの人に贈与をしたいと考えている人です。
例えば、相続財産が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)以下で、そもそも相続税がかからない見込みの場合、7年間の持ち戻しルールを気にする必要がありません。

また、暦年課税は贈与する相手に制限がないため、子や孫だけでなく、子の配偶者など、多くの人に毎年110万円ずつ財産を分け与えたい場合にも適しています。

贈与者が健康で、相続開始までに7年以上の期間が見込めるのであれば、持ち戻しの影響を受けずに非課税での贈与を継続できる可能性が高まります。

相続時精算課税がおすすめな人の特徴

相続時精算課税は、将来価値の上昇が見込まれる財産を贈与したい人や、老後資金とのバランスを見ながらまとまった資金を早期に非課税で渡したい人におすすめです。
この制度では、贈与時の価格で相続税が計算されるため、値上がり益に相続税がかかりません。

例えば、今後開発が予定されているエリアの土地や、将来性のある企業の株式、収益を生む賃貸アパートなどを贈与する場合に特に有利です。

また、新設された年間110万円の基礎控除を活用すれば、毎年非課税で贈与を続けられ、さらに2500万円の特別控除枠を使って子の住宅購入資金などを一括で援助することも可能です。
相続財産が多く、相続税率が高くなることが予想される人にとっても、節税効果が期待できます。

知っておきたい生前贈与の3つのメリット

生前贈与には、将来の相続に備える上で大きなメリットが3つあります。
第一に、相続税の負担を計画的に軽減できる可能性があることです。
非課税枠などを活用して生前に財産を移転させることで、課税対象となる相続財産そのものを減らせます。

第二に、財産を渡したい相手に、自分の好きなタイミングで確実に渡せることです。
相続を待たずして、子の結婚や孫の進学など、必要な時期に資金を援助できます。

そして第三に、将来の相続トラブルを未然に防ぐ効果が期待できる点です。
生前に意思を明確にしておくことで、相続人間の無用な争いを避けやすくなります。

相続税の負担を軽減できる可能性がある

生前贈与を計画的に活用することで、累進課税で税率が上がりやすい相続税の負担を軽減できる可能性があります。
暦年課税制度の年間110万円の非課税枠を使えば、税金をかけずに毎年財産を移転でき、結果として課税対象となる相続財産を減らすことが可能です。

例えば、3人の子に10年間、毎年110万円ずつ贈与すれば、合計3,300万円の財産を無税で移すことができます。

また、相続時精算課税制度に新設された年間110万円の基礎控除も、相続財産に加算されないため同様の効果があります。
これらの制度をうまく組み合わせることで、相続税が0円になるケースも考えられ、次世代へのスムーズな資産承継を実現できます。
相続税の基礎控除については「相続税の申告が不要なケース」で詳しく紹介しています。

好きなタイミングで特定の人に財産を渡せる

生前贈与の大きなメリットは、贈与者が自身の意思に基づき、財産を渡すタイミングと相手を自由に決められる点です。
相続の場合、財産の移転は亡くなった後に行われるため、いつ誰に渡るかをコントロールすることはできません。

しかし、生前贈与であれば、「子どもが家を建てるとき」「孫が大学に入学するとき」など、相手が資金を必要とする具体的なタイミングで援助できます。

また、法定相続人ではない内縁の配偶者や、特に世話になった親族、あるいは社会貢献団体など、自分が財産を託したいと考える特定の相手に確実に渡すことが可能です。
このように、贈与者の意思を直接反映できる柔軟性の高さは、生前贈与ならではの利点です。

相続トラブルの発生を防ぎやすくなる

生前に財産の分配を行っておくことは、相続人間のトラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。
相続が発生すると、誰がどの財産をどれだけ受け取るかを決める遺産分割協議で、親族間の意見が対立し、争いに発展するケースが少なくありません。

特に不動産など分けにくい財産がある場合は、トラブルが深刻化しがちです。
生前贈与を活用し、財産を渡す側の意思を明確な形で示しておけば、相続人たちの不満や憶測を減らすことにつながります。

また、贈与契約書を作成する過程で、なぜその相手に財産を渡すのかという理由や想いを伝えることで、他の相続人の理解を得やすくなり、円満な相続の実現に役立ちます。

生前贈与で失敗しないための4つの注意点

生前贈与は有効な相続対策ですが、やり方を間違えると贈与が認められないばかりか、かえって税金の負担が増えるリスクもあります。
特に注意すべきは、税務調査で指摘されやすい名義預金です。

また、2024年の改正で相続開始前7年以内の贈与が相続税の対象となった点や、特定の相続人に偏った贈与が遺留分を侵害し、相続トラブルを招く可能性も無視できません。

さらに、不動産の贈与は税金が高額になるケースがあるため、慎重な判断が求められます。
認知症などで判断能力が低下すると贈与契約自体が無効になるため、計画は早めに進めることが重要です。
生前贈与の注意点については「生前贈与のQ&A」で詳しく紹介しています。

「名義預金」とみなされると贈与が無効になる

名義預金とは、口座の名義人と実際にその預金を管理・支配している人が異なる預金のことで、税務調査で最も指摘されやすいポイントの一つです。
例えば、親が子や孫の名義で口座を作り、親自身がその通帳や印鑑を管理して入金している場合、それは子の預貯金ではなく親の財産とみなされます。

この場合、生前贈与は成立しておらず、親が亡くなった際には相続財産として扱われ、相続税の課税対象となります。

贈与を有効にするためには、受贈者が自由にその預金を使える状態にし、通帳や印鑑も受贈者自身が管理していることが不可欠です。
贈与の事実を証明するため、贈与契約書を作成することも重要です。

相続開始前7年以内の贈与は相続税の対象になる(生前贈与加算)

2024年の税制改正により、暦年課税制度における生前贈与加算の期間が、相続開始前3年から7年へと延長されました。
これにより、贈与者が亡くなった日から遡って7年以内に行われた贈与は、原則として相続財産に加算され、相続税の課税対象となります。

このルールは、亡くなる直前の駆け込み贈与による税逃れを防ぐためのものです。
ただし、新たに延長された4年間(相続開始前3年超7年以内の期間)に行われた贈与については、合計100万円までは加算の対象外となる控除が設けられています。

生前贈与を計画する際は、この持ち戻し期間を十分に考慮し、できるだけ早期から対策を始めることが重要です。

遺留分を侵害すると相続トラブルの原因になる

遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系の親など)に法律上保障されている、最低限の遺産の取り分のことです。
特定の相続人や第三者に多額の生前贈与を行った結果、他の相続人の遺留分を侵害してしまうと、深刻な相続トラブルに発展する可能性があります。

遺留分を侵害された相続人は、贈与を受けた人に対して「遺留分侵害額請求」を行い、不足分に相当する金銭を請求する権利があります。

こうした事態を避けるためには、生前贈与を行う際に、他の相続人の遺留分を侵害しないか事前にシミュレーションしておくことが不可欠です。
全ての相続人が納得できるような財産配分を心がけるか、遺言書で付言事項として想いを伝えるなどの配慮が求められます。

不動産の贈与は税金が高額になるケースがある

現金や預貯金と異なり、家や土地、マンションといった不動産の生前贈与には、贈与税以外にも高額な税金がかかるため注意が必要です。
不動産の贈与を受けると、まず「不動産取得税」が課税されます。
税率は原則として固定資産税評価額の3%(宅地の場合は1.5%)です。

また、所有権を移転するための名義変更(登記)の際には「登録免許税」が必要で、税率は固定資産税評価額の2%です。
これらは相続で不動産を取得した場合(登録免許税0.4%、不動産取得税は非課税)と比較して税率が格段に高くなっています。

ローンが残っている物件を贈与する場合はさらに複雑になるため、不動産の生前贈与は専門家と相談の上、慎重に検討することが賢明です。
土地の相続税については「土地の相続税」で詳しく紹介しています。

失敗しない!生前贈与の具体的な手続き4ステップ

生前贈与を成功させるためには、正しい手順を踏むことが不可欠です。
単にお金を渡すだけでは、後々税務署から贈与を否認されるリスクがあります。

手続きの基本は、まず贈与契約書を作成し、贈与者と受贈者の間で贈与の合意があったことを明確にすることです。
次に、銀行振込など、誰が見ても財産の移転があったとわかる客観的な証拠を残します。

そして最後に、年間の贈与額が110万円を超えるなど、贈与税の課税対象となる場合には、期限内に必ず申告と納税を行う必要があります。
この4つのステップを確実に行うことで、法的に有効な贈与が成立します。
生前準備については「生前準備の基礎知識」で詳しく紹介しています。

ステップ1:贈与契約書を作成し当事者間で合意する

生前贈与を確実に行うための最初のステップは、贈与契約書の作成です。
贈与は口約束でも法的には有効ですが、税務調査などで贈与の事実を証明する際に客観的な証拠がないと、名義預金とみなされたり、贈与自体を否認されたりするリスクがあります。

贈与契約書は、「いつ、誰が、誰に、何を、どのように贈与したか」を明確にするための重要な書類です。
この書面を作成し、贈与者と受贈者の両方が署名・捺印することで、当事者間の合意があったことを証明できます。

書類作成を通じて、贈与の意思を双方で再確認し、将来のトラブルを防ぐ効果も期待できます。

ステップ2:証拠が残る方法で財産を移転する

贈与契約書で合意した後は、実際に財産を移転します。
この際、手渡しで現金を渡すのではなく、第三者にも贈与の事実が証明できる客観的な証拠が残る方法を選ぶことが極めて重要です。
最も一般的な方法は、銀行振込です。

贈与者の口座から受贈者の口座へ直接振り込むことで、通帳に「いつ、誰から、いくら」送金されたかが明確に記録されます。
不動産の場合は、所有権移転登記の手続きが必須です。

この登記を行うことで、法的に所有者が変更されたことが公に証明されます。
こうした証拠を残すことで、税務署からの問い合わせがあった場合にも、贈与が確実に行われたことを主張できます。

ステップ3:【贈与契約書のサンプル】記載すべき項目とひな形

贈与契約書には、法的に定められた形式はありませんが、贈与の事実を明確にするために、以下の項目を盛り込むことが重要です。
最低限、贈与者の氏名・住所、受贈者の氏名・住所、贈与した日付、贈与した財産の内容、贈与の方法を記載します。

そして、贈与者と受贈者がそれぞれ署名し、実印で捺印するのが望ましいです。
これにより、契約の真正性が高まります。

贈与契約書の記載例
贈与者(以下「甲」という)と受贈者(以下「乙」という)は、本日、以下のとおり贈与契約を締結した。

第1条 甲は乙に対し、現金110万円を贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
第2条 甲は乙に対し、前条の金銭を、令和〇年〇月〇日限り、乙名義の下記銀行口座に振り込む方法により交付する。

銀行名:〇〇銀行
支店名:〇〇支店
口座種別:普通預金
口座番号:〇〇〇〇〇〇〇
口座名義人:〇〇〇〇

上記契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙各自署名捺印の上、各1通を保有する。

令和〇年〇月〇日

(甲)住所:
氏名:

(乙)住所:
氏名:

ステップ4:贈与税が課税される場合は申告と納税を行う

暦年課税において、1年間(1月1日~12月31日)に受け取った贈与の合計額が110万円の基礎控除額を超える場合、受け取る側である受贈者は贈与税の申告と納税を行う義務があります。
申告期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。

この期間内に、所轄の税務署へ贈与税の申告書を提出し、納税を完了させる必要があります。
もし期限内に申告や納税を怠ると、本来の税額に加えて無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるため注意が必要です。

なお、相続時精算課税制度を選択した場合も、初年度には贈与額にかかわらず申告が必須となります。
贈与税の申告については「生前贈与の確定申告」で詳しく紹介しています。

110万円の非課税枠以外で活用できる贈与税の特例制度

生前贈与には、暦年課税の年間110万円の非課税枠以外にも、特定の目的のための贈与について税負担を軽減する様々な特例制度が設けられています。
これらの特例は、受贈者のライフイベントや生活基盤の形成を支援することを目的としており、適用できれば一度にまとまった金額を非課税で贈与することが可能です。

代表的なものに、夫婦間の居住用不動産の贈与(おしどり贈与)、子や孫への教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与、住宅取得等資金の贈与などがあります。
それぞれの制度には適用要件や非課税限度額が定められているため、内容をよく理解して活用することが重要です。

夫婦間の居住用不動産の贈与(おしどり贈与)

おしどり贈与とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間で、居住用の不動産やその購入資金を贈与する場合に利用できる特例です。
この制度を活用すると、暦年課税の基礎控除110万円とは別に、最大2,000万円までが非課税となります。

つまり、合計で最大2,110万円までの贈与が非課税で行えることになります。
この特例の適用を受けるためには、贈与を受けた年の翌年3月15日までにその不動産に居住し、その後も住み続ける見込みであることなどの要件を満たし、贈与税の申告を行う必要があります。

配偶者の老後の生活費や生活保障、相続財産を減らす対策として有効な手段の一つです。

教育資金の一括贈与

教育資金の一括贈与は、直系尊属である祖父母や親から30歳未満の子や孫へ、教育資金としてまとまったお金を非課税で贈与できる制度です。
信託銀行などの金融機関で専用の口座を開設し、そこに資金を預け入れることで、受贈者一人あたり最大1,500万円まで贈与税が非課税となります。

この資金は、学校の入学金や授業料、塾や習い事の月謝など、幅広い教育費の支払いに充てることができます。
ただし、受贈者が30歳に達した時点で口座に残りの残高がある場合、その残額に対して贈与税が課税される点には注意が必要です。

この制度は2026年3月31日までの特例措置となっています。

結婚・子育て資金の一括贈与

結婚・子育て資金の一括贈与は、祖父母や親から18歳以上50歳未満の子や孫へ、結婚や子育てに使うための資金を非課税で贈与できる制度です。
この制度を利用すると、受贈者一人あたり最大1,000万円まで贈与税がかかりません。
このうち、結婚関連の費用(挙式費用や新居の家賃など)に充てられるのは300万円が上限です。

教育資金の一括贈与と同様に、金融機関で専用口座を開設し、資金を管理する必要があります。
受贈者が50歳になった時点で使い残しがあれば、その残額に贈与税が課税されます。
この制度も期間限定の措置であり、現時点では2025年3月31日までとなっています。

住宅取得等資金の贈与

住宅取得等資金の贈与は、親や祖父母から子や孫へ、マイホームの購入、新築、または増改築のための資金を贈与する場合に、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。
2024年1月1日から2026年12月31日までの贈与については、省エネ性能などが高い「質の高い住宅」の場合は1,000万円まで、それ以外の一般住宅の場合は500万円までが非課税限度額となります。

この特例は、暦年課税や相続時精算課税と併用することが可能です。
例えば、暦年課税と併用すれば、一般住宅の場合、500万円に基礎控除110万円を加えた合計610万円まで非課税で贈与できます。
適用を受けるには、一定の所得要件などを満たす必要があります。

どの制度を使うべきか専門家が整理「生前対策診断サポート」

生前贈与の制度は2024年の改正で複雑化し、「暦年課税と相続時精算課税のどちらを選ぶべきか」「特例制度は使えるのか」など、自分だけで最適な判断を下すのは困難です。
SWATSの生前対策診断サポートでは、専門家がお客様一人ひとりの財産状況やご家族の関係、ご希望を丁寧にヒアリングします。

その上で、どの制度を活用するのが最も有利か、将来の相続まで見据えた最適な対策を整理し、ご提案します。
何から始めればよいか分からないという段階からでも、安心してご相談いただけます。
初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

生前贈与に関するよくある質問

生前贈与を検討する際には、多くの方が同じような疑問を抱きます。
「贈与契約書は本当に必要なのか」「毎年110万円ずつなら絶対に税金はかからないのか」といった質問は非常によく寄せられます。

特に2024年の税制改正後は、制度が複雑になったことから、新たな疑問も増えています。
ここでは、生前贈与に関するよくある質問とその回答をまとめました。

具体的な手続きを進める前に、基本的な疑問点を解消しておくことが大切です。
YouTubeなどで解説動画を見るのも一つの方法ですが、個別の状況に合わせた正確な理解が不可欠です。

贈与契約書は必ず作成しないといけませんか?

法律上、贈与契約書の作成は義務ではありません。
しかし、税務調査で贈与の事実を客観的に証明するため、また将来の親族間トラブルを防ぐために、作成することを強く推奨します。

口約束だけでは「言った・言わない」の水掛け論になりかねず、贈与が認められないリスクがあります。

毎年110万円ずつ贈与すれば税金はかかりませんか?

毎年同じ時期に同じ金額を贈与し続けると、税務署から定期贈与とみなされる可能性があります。
これは、あらかじめ決まった総額を分割で贈与していると判断され、贈与総額に対して課税されるリスクです。

毎年、贈与契約書を作成し、贈与の都度合意する形を取るなどの対策が必要です。

孫や子の配偶者への贈与も対象になりますか?

はい、対象になります。
暦年課税制度を利用した贈与は、相手が誰であっても可能です。
孫や子の配偶者への贈与も年間110万円の非課税枠の対象です。

ただし、相続時精算課税制度を利用できるのは、原則として60歳以上の親や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与に限られます。

生前対策の専門家SWATSが選ばれる4つの理由

SWATSが提供する生前対策サポートは、多くのお客様から選ばれています。
その理由は、単に税金の計算をするだけでなく、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な解決策を、長期的な視点で設計する点にあります。

お金や株式、生命保険といった金融資産から不動産まで、あらゆる財産を対象に、税務と法務の両面から専門家が連携してサポートします。
将来の安心を築くためのパートナーとして、SWATSは4つの強みでお客様の生前対策を支えます。

税務と法務の両面から最適な判断ができる連携体制

生前対策を成功させるには、贈与税や相続税といった税金の問題と、遺言書の有効性や遺留分といった法律の問題の両方を考慮する必要があります。
SWATSでは、税理士法人と法律事務所が緊密に連携しているため、この二つの側面を同時に、かつ一体的に検討することが可能です。

「税理士に相談すべきか、弁護士に相談すべきか」と迷う必要はありません。
税務と法務の専門家がそれぞれの知見を持ち寄り、お客様にとって最もバランスの取れた、後悔の残らない最適なプランを導き出します。

特定の対策に偏らず中立的な視点で提案

生前対策には、生前贈与のほか、遺言、家族信託、生命保険の活用など、様々な選択肢があります。
金融機関や不動産会社によっては、自社の商品やサービスに偏った提案が行われるケースも少なくありません。

SWATSは特定の金融商品や不動産を販売しない独立した専門家集団であるため、常にお客様の利益を最優先に考え、完全に中立的な立場から最も適した方法を提案します。
複数の選択肢のメリット・デメリットを公平に比較検討し、お客様が納得できる最適な解決策を一緒に見つけ出します。

相続発生後の手続きまで見据えた長期的な設計

生前対策は、相続が発生した時に初めてその真価が問われます。
対策が不十分だったために、相続手続きが煩雑になったり、かえって家族に負担をかけてしまったりするケースも少なくありません。

SWATSでは、単に目先の節税だけでなく、相続が発生した後の名義変更手続きや相続税申告までをスムーズに進められるよう、長期的な視点で設計を行います。

例えば、分けにくい不動産をどうするか、納税資金をどう確保するかといった問題まで見据え、将来の負担を減らすための実用的な対策を講じます。

専門用語を使わず現状と課題を分かりやすく整理

相続や贈与の話は、法律や税金の専門用語が多く、分かりにくいと感じる方が少なくありません。
SWATSでは、お客様との対話を最も大切にし、専門用語をできるだけ使わずに、平易な言葉で丁寧に説明することを心がけています。

お客様の現在の財産状況や家族構成、そして将来に対する想いをじっくりお伺いした上で、現状の課題は何か、どのような対策の選択肢があるのかを分かりやすく整理します。
お客様自身が「何をすべきか」を明確に理解し、納得して次の一歩を踏み出せるよう、全力でサポートします。

まとめ

生前贈与は、2024年の税制改正により、暦年課税の持ち戻し期間が7年に延長され、相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除が新設されるなど、ルールが大きく変わりました。
年間110万円の非課税枠を活用した贈与は依然として有効な相続対策ですが、名義預金とみなされないよう贈与契約書の作成や銀行振込といった正しい手続きが不可欠です。

どの制度が最適かは個々の状況によって異なるため、計画的に進めることが重要です。
不動産やまとまった金額の贈与を検討する際は、専門家への相談が賢明です。

相続の概要や今後の流れをわかりやすくご説明します。相談は15分程度で全国どこからでもご参加可能です。
まずはお気軽に、お電話またはWebフォームにてお申し込みください。

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