
著者
税理士法人SWATS
代表 柴田 潤
関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
目次
相続税の申告後、「税務調査が来るのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。
税務調査とは、申告内容が正しいか税務署が確認する手続きです。
本記事では、相続税の税務調査が行われる確率や時期、調査対象になりやすいケースを解説します。
また、当日の流れやよくある質問、申告漏れが発覚した場合のペナルティ、税理士に相談するメリットなど、具体的な対策についても詳しく説明します。
・実地調査の確率だけでなく、電話・書面による簡易な接触も確認する
・名義預金、多額の出金、生前贈与、海外資産は重点的に見られやすい
・調査の連絡が来たら、通帳・贈与契約書・財産資料を早めに整理する
・申告漏れがある場合は、加算税や延滞税が発生する可能性がある
相続税の税務調査とは?確率・時期・対象者の基本を解説

相続税の税務調査とは、提出された相続税申告書の内容に誤りや漏れがないか、税務署が確認するために行う調査です。
日本の税制度は納税者が自ら税額を計算して申告する「申告納税制度」を採用しているため、その内容の正当性を担保する目的で実施されます。
調査の確率や時期には一定の傾向があり、どのような対象者が選ばれやすいかを知ることが、適切な準備の第一歩となります。
相続税の税務調査については「相続税の税務調査」で詳しく紹介しています。
約10人に1人が対象に!相続税の税務調査が行われる確率
国税庁の統計によると、相続税の実地調査が行われる確率は、申告件数全体の約6%前後です。
これに電話や書面での確認といった「簡易な接触」を含めると、その割合は約20%に上り、申告者の5人に1人は何らかの形で税務署から連絡を受けている計算になります。
さらに、実地調査が行われた場合、そのうちの約8割以上で申告漏れなどの誤りが指摘されています。
この税務調査率と非違割合の高さから、相続税申告における正確性の重要性がわかります。
調査はいつ来る?申告後1~2年後の8月~11月が多い傾向
相続税の税務調査の時期は、申告期限(被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内)から1〜2年後に行われるのが一般的です。
特に、税務署の人事異動が落ち着く夏から秋、具体的には8月〜11月にかけて調査の連絡が来ることが多い傾向にあります。
申告から2年以上経過しても連絡がなければ、調査の可能性は低くなりますが、申告内容に悪質な隠蔽などがあった場合は、時効が成立する7年後まで調査の可能性があります。
このタイミングを知っておくことで、心の準備や書類の整理がしやすくなります。
国税庁のKSKシステムとは?AIを活用した調査対象の選定方法
国税庁は、効率的に調査対象者を選定するため、KSK(国税総合管理)システムを導入しています。
このシステムは、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、納税者の申告内容や過去の納税履歴、法定調書などの膨大なデータを一元管理するものです。
近年ではAI(人工知能)も活用されており、蓄積されたデータから申告漏れのパターンを分析し、調査対象となる可能性が高い納税者を自動的に抽出します。
このため、過去の所得状況に比して相続財産が少ない場合など、不自然な点がある申告は、AIによって効率的に選別される仕組みになっています。
相続税の税務調査で確認したい国税庁データと準備ポイント

相続税の税務調査を理解するときは、まず国税庁が公表しているデータで「実際にどれくらい調査・接触が行われているのか」を確認することが重要です。
国税庁の「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」では、実地調査や簡易な接触の状況を確認できます。
そのうえで、上位記事と同じように「確率・時期」「調査されやすいケース」「当日の流れ」「質問例」「ペナルティ」「税理士への相談」の順に読むと、税務調査の全体像を把握しやすくなります。
国税庁データで見る相続税の調査状況
| 区分 | 令和6事務年度の実績 | 読み取り方 |
|---|---|---|
| 実地調査 | 実地調査件数は9,512件、申告漏れ等の非違件数は7,826件、非違割合は82.3%です。 | 実地調査に選ばれた場合、申告漏れや計算誤りを指摘される割合が高いことがわかります。 |
| 追徴税額 | 実地調査による追徴税額の合計は824億円、1件当たりの追徴税額は867万円です。 | 調査で誤りが見つかると、本税だけでなく加算税・延滞税も含めて負担が大きくなる可能性があります。 |
| 簡易な接触 | 文書・電話・来署依頼などによる簡易な接触件数は21,969件、申告漏れ等の非違件数は5,796件です。 | 自宅に調査官が来る実地調査だけでなく、電話や書面で確認されるケースも含めて備える必要があります。 |
| 無申告事案 | 無申告事案の実地調査は650件、非違割合は86.5%、追徴税額は142億円です。 | 申告義務があるのに申告していない場合は、通常の申告誤りより重く見られやすい点に注意が必要です。 |
| 海外資産関連 | 海外資産関連事案の実地調査件数は1,359件、海外資産に係る申告漏れ等の非違件数は209件です。 | 国外口座・国外法人・海外送金がある場合は、租税条約等による情報も踏まえて確認されやすくなります。 |
この表で特に重要なのは、相続税の税務調査では「調査が来るかどうか」だけでなく、調査や接触があった後に申告漏れを指摘される可能性まで見ておく必要がある点です。
名義預金、多額出金、生前贈与、海外資産などの説明資料を申告時から残しておくことが、税務調査対策の基本になります。
税務調査で確認されやすい論点と準備しておきたい資料
| 確認されやすい論点 | 税務署が見やすいポイント | 準備しておきたい資料 |
|---|---|---|
| 名義預金 | 口座名義ではなく、資金の出どころ・通帳や印鑑の管理者・実際に使っていた人を確認されます。 | 家族名義口座の通帳、入出金履歴、贈与契約書、印鑑やカードの管理状況がわかる資料 |
| 生前贈与 | 贈与の意思表示があったか、受贈者が自由に使えたか、贈与税申告が必要だったかを見られます。 | 贈与契約書、振込記録、贈与税申告書控え、受贈者側の通帳や利用実態がわかる資料 |
| 多額出金・現金 | 亡くなる前後の大きな出金について、使途不明金やタンス預金がないかを確認されます。 | 預金通帳、出金メモ、領収書、葬儀費用や医療費の支払資料、現金残高の説明資料 |
| 海外資産 | 国外口座、国外不動産、海外送金、国外法人との関係などから申告漏れがないかを確認されます。 | 海外口座の明細、国外財産調書、送金記録、不動産評価資料、現地の課税資料 |
| 申告書の整合性 | 所得状況に比べて相続財産が少ない、財産評価が不自然、債務控除に根拠がない場合などを確認されます。 | 相続税申告書控え、財産評価資料、債務や葬式費用の証憑、遺産分割協議書 |
税務署はここを見る!相続税の税務調査で狙われやすい9つのケース

税務署は、限られた人員で効率的に調査を行うため、申告漏れが発生しやすいポイントを重点的に確認します。
過去の統計や経験則から、特定のパターンに該当する申告書は調査対象として選ばれやすくなる傾向があります。
どのような理由で調査対象となりやすいのか、具体的なケースを知ることで、申告前の準備や対策に役立てることが可能です。
ケース1:遺産総額が2億円を超えている
遺産総額が大きいほど、税務調査の対象となる確率は高まります。
申告漏れがあった場合の追徴税額も大きくなるため、税務署は調査の効果が高いと判断するからです。
「遺産がいくらあれば税務調査が入るのか」と気になる方も多いですが、明確な基準はありません。一般的には、遺産総額が2億円以上になると調査対象に選ばれやすくなるといわれています。
国税庁のデータでも、遺産総額が大きくなるほど調査割合は上昇し、特に富裕層は重点的な調査対象とされています。
ケース2:被相続人の預貯金から多額の出金がある
被相続人が亡くなる直前に、預金口座から多額の現金が引き出されている場合、税務署はその現金の行方を厳しく確認します。
引き出された現金が、葬儀費用など明確な使途のために使われたことが証明できれば問題ありません。
しかし、使途不明金となっている場合、相続人が「タンス預金」として隠しているのではないかと疑われる原因になります。
調査官は過去数年分の通帳履歴を確認するため、不自然な出金は必ず説明を求められます。
ケース3:家族名義の口座に不自然な入金がある(名義預金)
被相続人が、配偶者や子、孫の名義で預金口座を作成し、実質的にその口座を管理していた場合、それは「名義預金」とみなされ、相続財産に含めて申告する必要があります。
口座の名義が相続人であっても、通帳や印鑑を被相続人が管理し、入金した資金の出所が被相続人であれば、それは被相続人の財産と判断されます。
税務署は家族全員の預金口座の履歴を調査する権限を持っており、名義預金は最も指摘されやすい項目の一つです。
ケース4:生前の所得に比べて相続財産が少ない
被相続人の生前の職業や所得から予測される資産額と、実際に申告された相続財産の金額に大きな乖離がある場合、税務署は申告漏れを疑います。
国税庁のKSKシステムには過去の確定申告データが蓄積されているため、所得水準を容易に把握できます。
収入に比べて遺産が極端に少ないと、タンス預金や海外資産など、申告から漏れている財産があるのではないかと判断され、調査対象になりやすくなります。
ケース5:過去の贈与に契約書などの証拠がない
生前贈与は有効な相続税対策ですが、その事実を客観的に証明できなければ税務署に否認されるリスクがあります。
特に、贈与契約書がない、贈与された資金を贈与者が管理していたなどのケースでは、名義預金と判断される可能性があります。
また、2024年からの税制改正により、相続開始前7年以内の贈与が相続税の課税対象となりました。贈与税の申告や契約内容も、税務調査では確認されるポイントです。
過去の贈与についても、契約書や振込記録などの証拠をきちんと残しておくことが重要です。
贈与契約書の作成については「贈与契約書の書き方」で詳しく紹介しています。
なお、非課税となる贈与であっても、制度の適用要件や証拠書類を確認されることがあります。
ケース6:海外に資産を保有している
海外に不動産や預金口座、有価証券などを保有している場合、その申告が漏れやすいため、税務調査の対象になりやすい傾向があります。
近年、CRS(共通報告基準)という国際的な制度により、世界各国の税務当局が非居住者の金融口座情報を自動的に交換しています。
これにより、日本の国税庁も日本居住者の海外口座情報を把握しやすくなっているため、「海外だからばれない」ということはありません。
海外資産は評価方法も複雑なため、正確な申告が求められます。
ケース7:税理士を介さずに自分で申告している
相続税の申告を税理士に依頼せず、相続人自身が行った場合、調査対象となる確率が高まる傾向があります。
相続税申告は財産評価や特例の適用など専門的な知識を要するため、個人での申告は計算ミスや解釈の誤り、財産の申告漏れなどが起こりやすいためです。
税務署もその点を認識しており、専門家が関与していない申告書は、より慎重に内容を確認する傾向があります。
相続税申告における税理士の選び方や費用相場については「相続税申告の税理士依頼」で詳しく紹介しています。
ケース8:申告書の内容に不備や矛盾点がある
提出された申告書の内容に、計算ミスや記載漏れ、添付書類の不備といった形式的なミスがある場合、それがきっかけで税務調査に発展することがあります。
また、財産の内訳や評価額に矛盾点が見られる場合も同様です。
例えば、不動産の評価額が相場より著しく低い、あるいは債務控除の内容に不自然な点があるなど、申告内容の信頼性に疑いを持たれると、詳細な調査の対象となりやすくなります。
相続税申告書の書き方については「相続税申告書の書き方」で詳しく紹介しています。
ケース9:そもそも相続税の申告をしていない
相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える遺産があるにもかかわらず、申告期限内に申告をしなかった場合(無申告)、税務署から指摘を受ける可能性が極めて高いです。
税務署は、市区町村役場に提出される死亡届の情報や過去の所得情報などから、相続税の申告義務がある人を把握しています。
相続税の時効は原則5年ですが、意図的な無申告と判断されれば7年に延長されます。
無申告はペナルティも重くなるため、必ず期限内に申告が必要です。
相続税の無申告がなぜバレるのかについては「相続税の無申告はなぜバレる?」で詳しく紹介しています。
税務調査の連絡が来たら?当日の流れと事前準備の完全ガイド

ある日突然、税務署から税務調査の連絡が来ると、誰しも慌ててしまうものです。
しかし、調査は定められた手順に沿って行われるため、事前に流れや準備すべきことを把握しておけば、落ち着いて対応できます。
ここでは、事前通知から調査当日、そして調査後までの具体的な流れと、それぞれの段階での適切な対応方法を解説します。
ステップ1:税務署からの事前通知(電話連絡)の内容と対応
税務調査は、原則として事前に電話で通知されます。
相続税申告を税理士に依頼していた場合は、まずその税理士に連絡が入ります。
個人で申告した場合は、相続人の代表者に直接連絡が来ます。
通知では、調査の日時、場所、対象となる税目、調査期間などが伝えられます。
提示された日程で都合が悪い場合は、正当な理由があれば変更が可能です。
この段階で慌てずに、まずは申告を依頼した税理士に連絡し、今後の対応について相談することが重要です。
ステップ2:調査当日までに準備しておくべき書類リスト
事前通知から調査当日までは1〜2週間程度の時間があるのが一般的です。
その間に、調査で確認される可能性のある書類を準備しておく必要があります。
主に以下のような書類の用意を求められます。
- 相続税の申告書控え
- 遺産分割協議書の写し
- 被相続人および相続人全員の過去5〜10年分の預金通帳
- 被相続人の実印、銀行印
- 不動産関連の資料
- 保険金の支払通知書
- 貸金庫の契約内容がわかる書類や鍵
これらの書類を整理し、質問に答えられるように内容を再確認しておきましょう。
相続税申告に必要な書類については「相続税申告の必要書類一覧」で詳しく紹介しています。
ステップ3:調査当日の進め方と所要時間
調査は通常、被相続人の自宅で行われ、期間は1〜2日間となるケースがほとんどです。
当日は午前10時頃に2名程度の調査官が訪れ、まずは世間話を交えながら被相続人の経歴や趣味、生活の様子などについてヒアリングが行われます。
その後、準備した通帳や書類の確認、金庫や仏壇、書斎などの確認へと進みます。
所要時間は1日あたり5〜6時間程度で、昼休憩も挟みます。
調査官からの質問には、正直かつ簡潔に答えることが大切です。
ステップ4:調査官からよく聞かれる質問の具体例10選
税務調査では、申告内容の裏付けを取るために様々な質問がされます。
以下に代表的な質問例を挙げます。
- 被相続人の経歴や最終的な職業は何でしたか?
- 趣味は何でしたか?
- 日常の財産管理は誰が、どのように行っていましたか?
- 生前に大きな贈与を受けたことはありますか?
- この通帳は誰が管理していましたか?
- この多額の出金は何に使いましたか?
- 貸金庫は契約していましたか?中身は何でしたか?
- 申告していない預金や有価証券はありませんか?
- インターネットバンキングの利用はありましたか?
- この申告書は誰が作成しましたか?
これらの質問の意図を理解し、事実に基づいて冷静に回答することが重要です。
申告漏れが発覚した場合のペナルティ|加算税・延滞税の種類

税務調査によって申告漏れや計算誤りが指摘され、本来納めるべき税額より少なかったことが判明した場合、不足分の税金(追徴課税)を納める必要があります。
さらに、ペナルティとして「加算税」と「延滞税」が課されます。
これらのペナルティは、申告の誤りの内容や悪質性の度合いによって種類や税率が異なります。
ここでは、それぞれのペナルティの内容について解説します。
| ペナルティ | 主な発生条件 | 税率・確認ポイント |
|---|---|---|
| 過少申告加算税 | 期限内申告はしたが、税額が不足していた場合 | 原則10%、一定額を超える部分は15% |
| 無申告加算税 | 申告期限までに申告していなかった場合 | 原則15%、50万円超部分は20% |
| 重加算税 | 隠ぺい・仮装があったと判断された場合 | 過少申告は35%、無申告は40% |
| 延滞税 | 納付期限から遅れて納付した場合 | 納付までの日数に応じて発生 |
悪質性が低い場合の「過少申告加算税」
過少申告加算税は、申告期限内に提出した申告書の税額が、本来納めるべき税額より少なかった場合に課されるペナルティです。
これは、計算ミスや財産評価の誤りなど、意図的ではない単純なミスが原因の場合に適用されます。
税率は、新たに追加で納めることになった税額の10%です。
ただし、追加税額が当初の申告税額または50万円のいずれか多い金額を超える部分については、税率が15%になります。
なお、税務調査の事前通知を受ける前に、自主的に修正申告をすれば、この過少申告加算税は課されません。
申告期限を過ぎてしまった場合の「無申告加算税」
無申告加算税は、正当な理由なく、法律で定められた申告期限までに相続税の申告を行わなかった場合に課されるペナルティです。
税率は、納付すべき税額のうち50万円までの部分は15%、50万円を超える部分は20%となります。
ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合は、税率が5%に軽減されます。
申告義務があることを知らなかったという理由は、通常、正当な理由とは認められないため注意が必要です。
意図的な隠蔽と判断された場合の「重加算税」
重加算税は、相続財産を意図的に隠したり、事実を偽って申告したりするなど、悪質性が高いと判断された場合に課される最も重いペナルティです。
例えば、意図的に遺産を申告しなかったり、書類を偽造したりする行為が該当します。
過少申告加算税や無申告加算税に代わって課され、その税率は過少申告の場合は35%、無申告の場合は40%と非常に高くなります。
重加算税の対象となると、税負担が大幅に増加します。
納付が遅れた日数に応じて発生する「延滞税」
延滞税は、本来の納付期限までに税金が納付されなかった場合に、その遅れた日数に応じて課される利息に相当する税金です。
上記の加算税とは別に課され、法定納期限の翌日から完納する日までの日数に応じて自動的に計算されます。
税率は年によって変動しますが、納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは比較的低く、それを過ぎると高くなります。
申告漏れが指摘された場合は、一日でも早く納付することが重要です。
相続税の税務調査は税理士に相談すべき?依頼する3つのメリット

税務調査の連絡が来た際、税理士に立ち会いを依頼するかどうかは重要な判断です。
専門家である税理士に依頼すると費用はかかりますが、それ以上に大きなメリットがあります。
税務署との複雑なやり取りや専門的な交渉を個人で対応するのは、精神的にも時間的にも大きな負担となります。
ここでは、税務調査において税理士に相談・依頼する具体的な3つのメリットを解説します。
メリット1:税務署との交渉をすべて任せられる
税理士に依頼する最大のメリットの一つは、税務署とのやり取りの窓口になってもらえる点です。
事前通知への対応から、日程調整、当日までの準備に関する相談、調査当日の立ち会い、そして調査後の交渉まで、一連のプロセスをすべて任せることができます。
これにより、納税者は精神的な負担から解放され、日常生活に集中できます。
専門家が間に入ることで、冷静かつ論理的な対応が可能となり、スムーズに調査を進めることができます。
メリット2:不当な指摘から納税者の権利を守ってくれる
税務調査官の指摘が、必ずしもすべて正しいとは限りません。
税法の解釈には幅がある場合や、事実認定に誤解が生じている可能性もあります。
このような場合に、納税者個人が法律や判例に基づいて反論することは非常に困難です。
相続税に詳しい税理士であれば、調査官の指摘が法的に妥当なものか、過去の判例に照らして適切かを判断し、もし不当な指摘があれば、納税者の代理人として的な反論してくれます。
これにより、納税者の正当な権利を守ることができます。
メリット3:追徴課税を最小限に抑えるための的確な主張が期待できる
申告漏れなどの非違事項が発見された場合でも、その解釈や評価方法によって追徴課税の金額は変わることがあります。
税理士は、法律で認められる範囲内で、納税者にとって最も有利な解釈や主張を展開し、追徴課税や加算税を最小限に抑えるための交渉を行います。
例えば、名義預金の認定について、それが生前贈与であったことを客観的な証拠で示すなど、専門的な知識と経験に基づいた主張により、結果的に税理士費用を上回る節税効果が生まれるケースも少なくありません。
相続税の税務調査に関するよくある質問

ここでは、相続税の税務調査に関して、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式で解説します。
Q1. 税務調査の連絡が来たら、まず何をすればいいですか?
まずは落ち着いて、申告を依頼した税理士に連絡してください。
税理士に依頼していない場合は、税務調査に強い税理士を探して相談するのが賢明です。
同時に、事前通知で指定された調査日時や場所、内容を確認し、過去の通帳など必要書類の準備を始めましょう。
Q2. 相続税の申告で、特に税務署に疑われやすい点は何ですか?
被相続人以外の家族名義の口座(名義預金)、亡くなる前の生前贈与、申告されていない現金(タンス預金)が特に疑われやすい点です。
税務署はこれらの財産が意図的に隠されていないか、過去の取引履歴まで詳細に確認するため、注意が必要です。
Q3. 税務調査は断ることができますか?
正当な理由なく税務調査を拒否することはできません。
調査を拒否したり、虚偽の答弁をしたりすると、罰則が科される可能性があります。
ただし、仕事の都合など正当な理由があれば、日程の変更は可能です。
税務署には正直に対応することが重要です。
生前対策で相続の不安を解消するなら「生前対策診断」がおすすめ

将来の相続税や税務調査への不安を軽減するためには、生前からの対策が非常に有効です。
しかし、遺言書の作成、生前贈与、家族信託など、選択肢は多岐にわたり、どの対策が自分の家庭にとって最適なのかを判断するのは容易ではありません。
そこでおすすめなのが、現状を正確に把握し、必要な対策を明確にする「生前対策診断」です。
専門家と一緒に財産状況や家族構成を整理することで、漠然とした不安を解消し、具体的な次の一歩を踏み出すことができます。
生前対策の診断については「生前対策診断」で詳しく紹介しています。
相続税の税務調査に備えるならSWATSにご相談ください
相続税の税務調査への備えは、申告時だけでなく、生前の対策から始まっています。
SWATSでは、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なサポートを提供します。
税務と法務の両面から最適な対策を提案
相続は、税金の問題だけでなく、遺産分割という法律の問題も密接に関わってきます。
SWATSでは、税理士と司法書士が連携し、税務と法務の両方の視点から、お客様にとって最も有利で円満な相続を実現するための対策を総合的にご提案します。
これにより、税金の負担を軽減するだけでなく、将来の家族間のトラブルを未然に防ぐことが可能になります。
相続発生後まで見据えた長期的なサポート体制
私たちのサポートは、生前の対策だけで終わりません。
万が一相続が発生した後の煩雑な手続きや相続税申告、さらには二次相続まで見据えた長期的な視点でアドバイスを行います。
お客様とご家族が末永く安心して暮らせるよう、継続的なサポート体制を整えています。
特定の制度に偏らない中立的なアドバイス
生前対策には、遺言、家族信託、生前贈与など様々な手法があります。
SWATSでは、特定の制度の利用を前提とするのではなく、まずお客様の財産状況、ご家族への想いを丁寧にヒアリングします。
その上で、それぞれの制度のメリット・デメリットを公平に比較検討し、お客様の状況にとって真に最適な対策を中立的な立場からご提案します。
相続税の税務調査や申告内容に不安がある場合は早めに相談する

相続税の税務調査では、申告書の数字だけでなく、被相続人の生前の収入、預貯金の動き、家族名義の口座、生前贈与の証拠まで確認されることがあります。
調査連絡が来てから慌てるよりも、申告時点から税務調査を見据えた資料整理をしておくことが重要です。
相続税申告や周辺手続きをまとめて相談したい場合は、相続アシストもあわせてご確認ください。
まとめ

相続税の税務調査は、申告者の約5人に1人が何らかの形で経験する可能性がある手続きです。
特に遺産総額が大きい場合や、名義預金が疑われるケースでは調査対象になりやすくなります。
調査は申告後1~2年後の夏から秋に行われることが多く、KSKシステムやAIの活用により、調査対象の選定は年々高度化しています。
万が一調査の連絡が来た場合は、慌てずに専門家である税理士に相談し、適切な準備と対応をすることが重要です。
また、将来の不安を解消するためには、生前の段階から財産状況を整理し、計画的な対策を講じておくことが不可欠です。
この記事を担当した税理士

税理士法人SWATS
代表 柴田 潤
- 経歴
- 関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
- 一言
- 複雑な相続税申告や手続きは、専門知識と経験が不可欠です。税理士法人SWATSは法律事務所と連携し、安心のワンストップ対応を実現しています。

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