SWATS Consulting Group・税理士法人SWATS・SWATS法律事務所

無料相談受付中!!・お電話受付

0120-070-373
9:00〜17:00

遺言執行者は相続人がなれる?兼任の権限や報酬、選任方法を解説

公開日:2026/07/20
更新日:2026/07/20
Share

著者

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。

目次

遺言執行者は、相続手続きを円滑に進めるために重要な役割を担います。
相続人の一人が遺言執行人になることも可能ですが、その権限や具体的な手続き、報酬の取り扱いについては事前に理解しておくことが大切です。
この記事では、相続人遺言執行者になれるのかという疑問に答え、その場合のメリット・デメリット、選任方法から就任後の手続きの流れまでを詳しく解説します。

遺言執行者と相続人の兼任でまず確認したいポイント
・相続人でも遺言執行者になることは可能で、特別な資格は不要です
・未成年者と破産者は、遺言執行者になることができません
・遺言執行者には相続人への通知や財産目録の作成義務があります
・相続人同士で対立がある場合は、専門家を選ぶ方が安全です

相続アシストの詳細を見る

遺言執行者とは?相続手続きを円滑に進める重要な役割

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

遺言執行者とは、遺言書に書かれた内容を実現させるために、必要な相続手続きを行う人のことです。
遺言執行人が指定されている場合、預貯金の解約や不動産の名義変更、相続財産の管理といった手続きを単独で行う権限を持ちます。

相続人が複数いる場合でも、遺言執行者が中心となって手続きを進めるため、相続人間のトラブルを防ぎ、円滑に相続を進めるための重要な役割を担います。

候補者 遺言執行者になれるか 確認ポイント
相続人 なれる 利益相反や他の相続人からの不信感が生じないよう、報告を丁寧に行う
受遺者 なれる 自分が財産を受け取る立場でも、遺言内容に沿って公平に執行する必要がある
弁護士・司法書士などの専門家 なれる 相続人間の対立、不動産売却、複雑な財産がある場合に向いている
未成年者・破産者 なれない 民法1009条の欠格事由に該当するため、別の人を選ぶ必要がある

一次情報として、e-Gov法令検索で確認できる民法1009条は、未成年者と破産者は遺言執行者となることができないと定めています。
また、民法1006条では遺言で遺言執行者を指定できること、民法1010条では指定がない場合などに家庭裁判所が選任できることが定められています。
詳しくはe-Gov法令検索「民法」をご確認ください。

相続人でも遺言執行者になれる!特別な資格は不要

結論として、相続人が遺言執行者になることは法的に全く問題ありません。
相続人と遺言執行者が同じ人物、つまり同一人物であっても、その役割の違いを理解して適切に職務を行えば兼任できます。
遺言執行者になるために、弁護士や司法書士のような特別な国家資格は必要とされていません。
遺言書の中で遺言執行者として長男を指定するというように特定の相続人が指定されていれば、その人が就任できます。

信頼できる身内に任せたいという理由から、配偶者や子どもなどの相続人が指定されるケースは非常に多く見られます。

ただし未成年者と破産者は遺言執行者になれない(欠格事由)

特別な資格は不要ですが、誰でも遺言執行者になれるわけではありません。
民法では、遺言執行者になれない人の条件として「欠格事由」を定めています。
具体的には、未成年者と破産者がこれに該当します。

未成年者は法律行為を単独で行う能力が制限されており、破産者は他人の財産を管理するのに適任ではないと判断されるためです。
遺言書で指定された人がこれらの事由に該当する場合、その指定は無効となります。

相続人が遺言執行者を兼任するメリット・デメリット

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

相続人が遺言執行人を兼任することには、費用を抑えられるといったメリットがある一方で、手続きの負担や相続人間のトラブルリスクといったデメリットも存在します。
どちらが良いかは一概には言えず、ご自身の家庭の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。
ここでは、それぞれのメリットとデメリットを具体的に解説します。

判断項目 相続人が兼任しやすいケース 専門家に任せたいケース
相続人同士の関係 全員の関係が良好で、遺言内容にも大きな不満がない 遺言内容への不満、疎遠な相続人、対立がある
財産の内容 預貯金中心で、財産の種類が少ない 不動産売却、非上場株式、海外財産、借入金がある
手続き時間 平日に金融機関や法務局へ行ける 仕事や遠方居住で、継続的な対応が難しい
報酬・費用 専門家報酬を抑えたい 費用よりも中立性や手続きの確実性を優先したい

【メリット】専門家への報酬が不要で費用を抑えられる

最大のメリットは、費用の節約です。
弁護士や司法書士、信託銀行などの専門家に遺言執行を依頼すると、一般的に相続財産の額に応じた報酬が発生します。

相続人が遺言執行者になる場合は、この専門家への報酬が不要になるため、相続財産から支払う費用を大幅に抑えることが可能です。
手続きにかかる実費は必要ですが、報酬分のコストを削減できる点は大きな利点です。

【メリット】他の相続人との連携がスムーズに進みやすい

遺言執行者を家族の一員が務める場合、日頃からコミュニケーションが取れており、信頼関係が構築されていれば、手続きの進捗報告や必要書類のやり取りが円滑に進む可能性があります。また、気兼ねなく相談できることで、精神的な負担が軽減されるケースも考えられます。しかし、相続人の一人を遺言執行者に指定することは、他の相続人との間に紛争の火種を生むリスクがあることも指摘されています。そのため、スムーズな意思疎通や精神的負担の軽減が必ずしも期待できるとは限りません。特に、専門家への依頼が家族の平穏を守るための投資であると推奨される場合もあります。

【デメリット】手続きの負担が大きく時間がかかる

遺言執行者の業務は多岐にわたり、専門的な手続きも含まれるため、大きな負担となります。
戸籍謄本の収集による相続人調査から始まり、財産調査、財産目録の作成、預貯金の解約、不動産の名義変更まで、全ての事務作業を一人でこなさなければなりません。
金融機関や法務局は平日の日中しか開いていないため、仕事を持つ人にとっては時間の確保が難しく、財産内容や相続人間の争いによっては1年、場合によっては5年など、手続きが長期化する可能性もあります。

【デメリット】他の相続人から不公平だと疑われる可能性がある

特定の相続人が遺言執行者になると、財産の管理や手続きの進め方について、他の相続人から疑念を抱かれるリスクがあります。
「財産を隠しているのではないか」「自分に有利に進めているのではないか」といった不信感が生じると、相続人間の関係が悪化し、トラブルに発展しかねません。
特に、相続人同士の関係がもともと良好でない場合や、遺言の内容に不満を持つ人がいる場合には、このリスクはより高まります。

【デメリット】法律知識が不足し手続きが滞るリスクがある

相続手続きには、民法や不動産登記法などの専門的な法律知識が求められる場面が少なくありません。
知識が不足していると、遺言の解釈を誤ったり、書類の不備で手続きが滞ったりする可能性があります。
最悪の場合、法的な問題に発展し、手続きをやり直す必要が生じることもあります。

スムーズに進めるつもりが、かえって時間と労力がかかってしまうリスクも考慮しておくべきです。

専門家に遺言執行を依頼した方が良いケースとは

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

相続人が遺言執行人を務めることも可能ですが、状況によっては弁護士や司法書士などの専門家に依頼した方が、結果的に円滑かつ安全に手続きを進められる場合があります。
特に、相続人間のトラブルが予想される場合や、法定相続人以外への遺贈など複雑な手続きが含まれる場合には、第三者である専門家の介入が有効です。
ここでは、専門家への依頼を検討すべき具体的なケースを紹介します。

相続人の間で意見が対立している場合

遺言の内容を巡って相続人間で意見が対立している、あるいは、もともと相続人同士の関係が良好でない場合には、専門家に依頼することを強く推奨します。
相続人の一人が執行者になると、感情的な対立が激化し、手続きが停滞する恐れがあります。
公平・中立な立場の専門家が間に入ることで、相続人全員に対して客観的な説明を行い、冷静な話し合いを促すことができ、円満な解決につながりやすくなります。
遺産分割調停については「遺産分割調停を有利に進める流れ・費用・必要書類を解説」で詳しく紹介しています。

不動産の売却など複雑な手続きが必要な場合

遺言書で「不動産を売却して、その代金を相続人で分けるように」といった指示がある場合、手続きは非常に複雑になります。
遺言執行者は、不動産の相続登記を行ったうえで、買主を探して売買契約を締結し、代金決済と引き渡しまで行う必要があります。
こうした一連の手続きには、不動産取引や税務に関する専門知識が不可欠です。

ミスなく安全に財産を換価するためには、専門家のサポートが欠かせません。

相続財産の種類が多い、または海外に財産がある場合

相続財産が預貯金や不動産だけでなく、株式、投資信託、ゴルフ会員権、非公開会社の株式など多岐にわたる場合、それぞれの財産評価や名義変更手続きが煩雑になります。
全ての財産を正確に調査し、評価するのは専門家でなければ困難な作業です。
また、海外に財産がある場合は、現地の法律や手続きにも精通している必要があるため、国際相続の実績が豊富な専門家への依頼が不可欠です。

遺言執行者の権限と相続人との関係性

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

遺言執行者が選任されると、相続手続きにおける権限が執行者に集中し、相続人の行動には一定の制約が生じます。
この法的な権限と義務の関係性を正しく理解しておくことは、遺言執行人と相続人間の無用なトラブルを避ける上で非常に重要です。
ここでは、遺言執行者が持つ具体的な権限と義務、そしてそれが相続人にどう影響するのかを解説します。

民法1012条は、遺言執行者が遺言内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有すると定めています。
さらに民法1013条は、遺言執行者がいる場合、相続人は遺言の執行を妨げる行為ができないと定めています。
このため、相続人が遺言執行者を兼任する場合でも、相続人としての立場と遺言執行者としての職務を分けて考えることが重要です。

遺言執行者の主な権限|相続財産の管理と遺言内容の実現

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為をする権限を持ちます。
具体的には、相続財産の調査・管理、預貯金の解約や払い戻し、不動産の名義変更、受遺者への遺贈財産の引き渡し、有価証券の売却などを、他の相続人の同意なしに進められます。
いわば、相続人全員の代理人として、遺言執行という目的に関する包括的な権限が与えられていることになります。

遺言執行者の義務|相続人への通知や財産目録の作成

遺言執行者は強い権限を持つ一方で、相続人に対して負うべき義務も定められています。
まず、任務を開始したときは、遅滞なく遺言の内容を全相続人に通知しなければなりません。
また、相続財産の調査を行い、その結果をまとめた相続財産目録を作成して、全相続人に交付する義務もあります。

これにより、手続きの透明性を確保し、相続人の権利を守る仕組みになっています。

遺言執行者がいると相続人は財産を勝手に処分できなくなる

遺言執行者がいる場合、相続人は遺言の執行を妨げるような行為をすることができません(民法1013条)。
例えば、相続人が遺言執行者に無断で被相続人の預金を引き出したり、不動産を売却したりする行為は無効となります。
相続財産の管理処分権は遺言執行者に専属するため、全ての相続手続きは遺言執行者を通じて行わなければなりません。

これにより、遺言内容が確実に実現されるようになっています。

相続人が遺言執行者に就任した場合の手続きの流れ【6ステップ】

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

相続人が遺言執行人として就任した場合、定められた手順に沿って手続きを進めていく必要があります。
全体の流れを把握しておくことで、計画的に業務を遂行し、漏れや遅延を防ぐことができます。
ここでは、就任通知から任務完了の報告まで、遺言執行人が行うべき手続きを6つのステップに分けて具体的に解説します。

ステップ 行うこと 主な資料・注意点
1. 就任通知 遺言内容と就任したことを相続人へ通知する 遺言書写し、相続人一覧、送付記録
2. 相続人調査 戸籍を収集して相続人を確定する 出生から死亡までの戸籍、相続関係説明図
3. 財産調査 預貯金、不動産、有価証券、負債を確認する 残高証明書、登記事項証明書、名寄帳、借入資料
4. 財産目録作成 相続財産目録を作成し、相続人へ交付する 評価額、負債、資料の根拠を明示する
5. 遺言内容の実行 預金解約、不動産登記、遺贈財産の引渡しを行う 金融機関書類、登記書類、受領書
6. 完了報告 執行結果と収支を相続人へ報告する 精算書、通帳コピー、領収書、完了報告書

ステップ1:遺言執行者に就任することを他の相続人へ通知する

まず最初に行うべきことは、全ての相続人に対して、自分が遺言執行者に就任したこと、そして遺言の内容を通知することです。
これは法律上の義務でもあります。
通常は「就任通知書」といった書面を作成し、遺言書の写しを同封して郵送します。

この通知により、相続手続きの開始を正式に知らせ、他の相続人が勝手に財産を処分することを防ぐ効果もあります。
今後の連絡窓口が自分になることを明確に伝えます。

ステップ2:戸籍謄本などを収集し相続人を確定させる

次に、被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍謄本などを市区町村役場から取り寄せます。
これにより、法的に誰が相続人となるのかを正確に調査し、確定させます。
遺言書に記載されていない相続人がいる可能性もあるため、この作業は非常に重要です。

相続人が確定したら、相続関係説明図を作成しておくと、後の手続きがスムーズになります。

ステップ3:預貯金や不動産など相続財産を調査する

被相続人が所有していた財産の全容を明らかにするため、詳細な調査を行います。
預貯金については各金融機関で残高証明書を取得し、不動産については名寄帳や登記事項証明書を取り寄せます。
有価証券や生命保険、借金などの負債も調査の対象です。

プラスの財産だけでなくマイナスの財産も含めて全てを洗い出し、財産の全体像を正確に把握します。

ステップ4:相続財産目録を作成し相続人に交付する

ステップ3の調査結果に基づき、相続財産を一覧にまとめた「相続財産目録」を作成します。この目録には、預貯金、不動産、有価証券などのプラスの財産と、借入金などのマイナスの財産を全て記載します。

相続財産目録は、遺言執行者に就任した場合、遺言執行者が相続人に対して作成・交付する義務があります。これにより、財産の状況を全員で共有し、手続きの透明性を確保できます。

ステップ5:預金の解約や不動産の名義変更など遺言内容を実行する

相続財産目録の交付後、いよいよ遺言書の内容に従って具体的な遺産分割手続きを実行していきます。
金融機関で預貯金の解約・払い戻し手続きを行い、法務局で不動産の相続登記(名義変更)を申請します。
株式などの有価証券があれば、証券会社で名義変更手続きも行います。

遺言執行者は、これらの手続きを単独の権限で行うことができます。

ステップ6:全ての手続き完了後、相続人へ結果を報告する

遺言書に記載された全ての財産の名義変更や分配が完了したら、その経過と結果をまとめた報告書を作成し、全ての相続人に通知します。
この報告をもって、遺言執行者としての任務は完了となります。
預貯金の解約から分配までの資金の流れがわかるよう、通帳のコピーなどを添付すると、より丁寧で分かりやすい報告になります。

この最終報告は、後のトラブルを防ぐためにも重要です。

遺言執行と相続手続きをまとめて整理したい方へ

遺言執行者の業務は、戸籍収集、財産調査、預貯金解約、不動産登記、相続税申告の要否確認まで広がることがあります。
相続アシストでは、遺言の内容確認から相続手続き、税務の見通しまでまとめて相談できます。

相続アシストの詳細を見る

遺言執行者の選任・辞任・解任に関する手続き

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

遺言執行人は、遺言書で指定されるのが一般的ですが、指定がない場合や指定された人が就任できない場合には、家庭裁判所での手続きが必要になります。
また、一度就任した遺言執行人であっても、事情によっては辞任したり、逆に任務を怠る場合には解任されたりすることもあります。

ここでは、遺言執行人の選任から辞任・解任に至るまでの各種手続きについて解説します。

遺言書で遺言執行者を指定する方法と記載例

最も一般的な選任方法は、遺言書の中で遺言執行者の指定をしておくことです。
自筆証書遺言、公正証書遺言のいずれにおいても指定が可能です。
記載する際は、誰であるか特定できるように「遺言執行者として、長男〇〇(氏名、生年月日、住所)を指定する」といった形で、氏名、生年月日、住所などを明記します。
遺言者本人の希望を確実に反映し、後々の手続きや紛争を防ぐためにも、公正証書遺言で指定しておくことが推奨されます。
遺言書の効力については「遺言書の効力と無効になるケースを解説」で詳しく紹介しています。

遺言執行者がいない場合に家庭裁判所で選任する方法

遺言書で遺言執行者の指定がない場合や、指定された人がすでに亡くなっている、所在が不明である、あるいは就任を辞退した場合には、遺言執行者がいない状態になります。
この場合、相続人や受遺者などの利害関係人は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に「遺言執行者選任の申立て」を行うことができます。
申立てが認められると、裁判所が弁護士などの専門家を遺言執行者として選任します。

裁判所は、遺言で遺言執行者が指定されていないとき、または遺言執行者がいなくなったとき、家庭裁判所が申立てにより遺言執行者を選任できると案内しています。
申立人は利害関係人で、申立先は遺言者の最後の住所地の家庭裁判所です。
必要費用として、執行対象となる遺言書1通につき収入印紙800円分と連絡用郵便切手が案内されています。
詳しくは裁判所「遺言執行者の選任」をご確認ください。

遺言執行者の就任を断りたい場合(辞任)の手続き

遺言執行者に指定されたからといって、必ず就任しなければならないわけではありません。
仕事が多忙、健康上の理由、遠方に住んでいるなど、任務を遂行することが難しい「正当な事由」がある場合は、家庭裁判所の許可を得て辞任することができます。
就任を承諾する前であれば自由に辞退できますが、一度就任を承諾した後に辞任するには、家庭裁判所での手続きが必要です。

遺言執行者を辞めさせたい場合(解任)の手続き

遺言執行者が任務を怠っている(手続きを全く進めない)、特定の相続人に不利益な扱いをする、財産を不当に管理するなど、「任務懈怠その他正当な事由」がある場合、相続人などの利害関係人は家庭裁判所にその遺言執行者の解任を請求することができます。
裁判所が解任を認めた場合、その執行者は資格を失います。

必要であれば、新たに別の遺言執行者を選任するよう申し立てることも可能です。

遺言執行者の報酬はいくら?誰が支払うのか

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

遺言執行人には、その任務に対する報酬を請求する権利があります。
この報酬は、誰が遺言執行者を務めるかによって大きく異なります。
相続人が務める場合は無報酬のことも多いですが、専門家に依頼した場合は当然報酬が発生します。

ここでは、遺言執行者の報酬の相場や、誰がその費用を負担するのかについて解説します。

遺言執行者 報酬の考え方 確認ポイント
相続人・親族 無報酬で行うことも多いが、遺言書や相続人間の合意で報酬を定められる 報酬を受け取る場合は、金額と支払方法を事前に共有する
弁護士・司法書士など 事務所ごとの報酬規程や財産額に応じて決まる 最低報酬、財産額比例、実費、追加業務の範囲を確認する
家庭裁判所が選任した場合 遺言執行者の申立てにより、家庭裁判所が報酬を定めることがある 報酬は相続財産から支払われるのが通常

民法1018条は、家庭裁判所が相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができるとしています。
遺言書で報酬を決める場合も、相続財産の規模や職務内容に照らして、相続人が納得しやすい内容にしておくことが大切です。

相続人が遺言執行者になる場合は報酬なしが一般的

相続人が遺言執行者を務める場合でも、報酬を請求することが可能です。報酬について遺言書に記載がない場合でも、原則として報酬を請求できるとされています。また、相続人全員の合意があれば報酬を受け取ることも可能です。

その場合、報酬額は相続財産の中から支払われます。もし報酬を受け取る場合は、金額を巡るトラブルを避けるためにも、事前に他の相続人と協議しておくことが望ましいです。

弁護士などの専門家に依頼した場合の報酬相場

弁護士や司法書士、信託銀行などの専門家に遺言執行を依頼した場合は、所定の報酬が発生します。
報酬体系は各事務所や機関によって異なりますが、一般的には「相続財産額の1%~3%」といったように、財産額に応じた料率で定められていることが多いです。
また、料率とは別に「最低報酬額30万円」のように、最低金額が設定されていることもあります。

報酬は原則として、相続財産の中から支払われます。

遺言執行者と相続人に関するよくある質問

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

遺言執行者と相続人の関係については、具体的な場面でどのように対応すべきか、多くの疑問が寄せられます。
ここでは、特に質問の多い事項をピックアップし、Q&A形式で分かりやすく解説します。
これらの事例を通じて、遺言執行者と相続人の権限や関係性についての理解をさらに深めていきましょう。

遺言執行者には相続人のうちの一人だけを指定しても問題ないですか?

はい、問題ありません。
遺言執行者は複数人でも一人だけでも指定可能です。
ただし、一人の相続人に権限が集中することで他の相続人との間で不公平感が生じる可能性も考慮し、遺言作成時にその旨を付言事項で説明しておくなどの配慮が望ましいです。

相続人である私が遺言執行者になった場合、単独で銀行手続きや不動産登記はできますか?

はい、単独で手続きできます。
遺言執行者は遺言内容の実現に必要な権限を持ち、相続人全員の代理人として行動します。
そのため、銀行での預金解約や法務局での相続登記などの手続きを、他の相続人の同意や委任状なしに単独で行うことが可能です。

遺言執行者である兄が手続きを進めてくれません。相続人として何ができますか?

まずは手続きの状況を報告するよう催促します。
それでも任務を怠るなど正当な理由がある場合は、家庭裁判所に遺言執行者の解任を申し立てることができます。
解任が認められれば、新たな遺言執行者を裁判所に選任してもらうことも可能です。

遺言執行者の選任で悩んだら専門家の「生前対策診断」も有効

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

誰を遺言執行者に選任すべきか、そもそも遺言執行者が必要なのかといった判断は、財産の内容や相続人間の関係性によって大きく異なります。
安易に決めると、かえって将来のトラブルの種になりかねません。
もし選任に悩んだ場合は、専門家による客観的な視点を取り入れることが有効です。

例えば「生前対策診断」のようなサービスを利用すれば、財産状況や家族構成を整理し、ご自身の家庭にとって最適な遺言執行者のあり方や、必要な対策の方向性を見極める手助けとなります。
ご自身の状況に合わせた生前対策については「生前対策診断」で詳しく紹介しています。

神戸で生前対策をご相談いただく際にSWATSが選ばれる理由

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

生前対策は、単に制度を知ることではなく、ご自身の状況に合わせて適切な判断を行うことが重要です。
SWATSでは、その判断を支えるための体制を整えています。
遺言コンサルティングについては「遺言コンサルティングサポート」で詳しく紹介しています。

税務と法務を一体で判断できる体制

相続対策は、税金の問題だけでなく、遺言の有効性や家族関係といった法務的な側面も深く関わります。
当事務所では、税理士と司法書士が連携し、相続税の負担と法的なトラブルリスクの両方を考慮した、総合的な視点からのアドバイスが可能です。

これにより、税務と法務のどちらかに偏ることなく、バランスの取れた生前対策を設計できます。

特定の制度に偏らない中立的な提案

生前対策には、遺言、家族信託、任意後見、生前贈与など様々な手法が存在します。
私たちは、特定の制度ありきで話を進めることはありません。
まずはご家庭の状況やご希望を丁寧にヒアリングし、それぞれの制度のメリット・デメリットを横断的に比較検討した上で、ご家族にとって本当に必要な対策を中立的な立場でご提案します。

相続発生後の手続きまで見据えたサポート

生前の対策は、将来の相続発生時に円滑に手続きが進むことを見据えて設計することが重要です。
私たちは対策の提案・実行だけでなく、実際に相続が発生した後の不動産の名義変更や預貯金の解約といった手続きについて、窓口としてサポートする体制を整えています。

最後まで責任を持って対応できるため、安心してご相談いただけます。

遺言執行者の選任と相続手続きに迷う場合は早めに相談する

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

遺言執行者を相続人にするか、専門家に依頼するかは、相続人同士の関係、財産の内容、相続税申告の有無によって変わります。
不動産売却や複数の金融機関手続きがある場合、遺言執行者の負担は大きくなりがちです。

遺言執行と相続手続きをまとめて整理したい場合は、早めに専門家へ相談すると安心です。
相続税申告や周辺手続きをまとめて相談したい場合は、相続アシストもあわせてご確認ください。

相続アシストの詳細を見る

まとめ

遺言執行者は相続人がなれるかを解説するアイキャッチ画像

遺言執行者は、特別な資格がなくても相続人が就任することが可能です。
費用を抑えられるメリットがある一方で、手続きの負担が大きく、他の相続人との間でトラブルになるリスクも存在します。

遺言執行者には財産管理に関する強い権限が与えられるため、その義務と責任を十分に理解したうえで、慎重に判断する必要があります。
相続人間の関係が複雑な場合や、財産内容が多岐にわたる場合には、中立的な立場の専門家に依頼することも有効な選択肢となります。

この記事を担当した税理士

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

経歴
関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
一言
複雑な相続税申告や手続きは、専門知識と経験が不可欠です。税理士法人SWATSは法律事務所と連携し、安心のワンストップ対応を実現しています。

相続の概要や今後の流れをわかりやすくご説明します。相談は15分程度で全国どこからでもご参加可能です。
まずはお気軽に、お電話またはWebフォームにてお申し込みください。

0120-070-373 9:00〜17:00
(ご契約済みのお客様 078-272-1815)

Webフォームで予約

Ranking人気記事

Searchサイト内検索

All記事一覧

相続相談
お気軽に

お電話受付
Webフォーム予約