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相続対策に養子縁組は有効?節税メリットと注意点

公開日:2026/07/15
更新日:2026/07/15
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目次

相続対策として養子縁組を検討すると、相続税の基礎控除や生命保険金の非課税枠が増え、税負担を抑えられる場合があります。養子は法律上、原則として実子と同じ相続権を持つため、財産を承継させたい人に相続人としての地位を与えられる点も大きな特徴です。

ただし、養子縁組は「節税できるから」と安易に進めてよい制度ではありません。相続税の計算で法定相続人に含められる養子の数には制限があり、孫を養子にする場合は相続税の2割加算にも注意が必要です。さらに、実子の相続分が減ることで親族間トラブルにつながることもあります。

この記事では、相続対策として養子縁組をするメリット、相続税計算上の注意点、孫養子の扱い、トラブルを避けるための確認事項を解説します。実行前に、税額だけでなく家族関係や遺産分割の方針まで整理しておきましょう。

相続対策として養子縁組を考える前に確認したいポイント
・養子は原則として実子と同じ相続権を持ちます
・相続税計算では、法定相続人に含められる養子の数に制限があります
・孫を養子にする場合は、相続税の2割加算に注意が必要です
・節税効果だけでなく、遺産分割や親族間トラブルも含めて判断が必要です

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相続対策として養子縁組をすると相続税にどう影響するか

相続対策として養子縁組をした場合の相続税への影響をまとめた図解

養子縁組とは、血縁関係がない人との間に法律上の親子関係をつくる手続きです。養子縁組が成立すると、養子は養親の法定血族となり、養親の相続では実子と同じ相続順位で相続人になります。

相続税の計算では、法定相続人の数が重要です。法定相続人が増えると、相続税の基礎控除額や死亡保険金の非課税限度額などが増えるため、相続税の負担が下がる可能性があります。一方で、養子の人数を何人でも自由に税務上カウントできるわけではありません。

つまり、養子縁組は相続税対策の選択肢になりますが、民法上の相続権と相続税法上の計算ルールを分けて理解する必要があります。

養子は実子と同じ相続権を持つ

養子縁組が成立すると、養子は養親の子として扱われます。養親が亡くなった場合、養子は実子と同じく第1順位の相続人となり、法定相続分や遺留分も実子と同じように認められます。

たとえば、配偶者と実子1人がいる人が、さらに1人を養子にした場合、養親の相続では配偶者が2分の1、実子と養子がそれぞれ4分の1ずつ相続するのが基本です。養子縁組によって相続人が増えるため、実子1人あたりの取り分は減ります。

このため、相続税の節税だけを見て養子縁組をすると、後から「自分の取り分が減った」と感じた実子との間で争いになる可能性があります。

普通養子縁組と特別養子縁組で実親との関係が変わる

養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があります。相続対策として検討されることが多いのは、成人同士でも利用される普通養子縁組です。

普通養子縁組では、養子は養親の相続人になりますが、実親との親族関係も原則として残ります。そのため、普通養子は養親の相続だけでなく、実親の相続でも相続人になる可能性があります。

一方、特別養子縁組では、原則として実親との親族関係が終了します。特別養子縁組は主に子の福祉を目的とする制度であり、相続税対策として一般的に使われるものではありません。制度の性質が異なるため、混同しないよう注意しましょう。

養子縁組による相続税対策の主なメリット

養子縁組による相続税対策のメリットを一覧化した図解

養子縁組による相続税対策の中心は、法定相続人の数が増えることによる税額への影響です。法定相続人の数は、相続税の基礎控除、生命保険金の非課税枠、死亡退職金の非課税枠、相続税の総額計算に関係します。

ただし、節税効果は財産額、相続人の人数、誰がどの財産を取得するかによって変わります。以下の表で、主なメリットと注意点を整理します。

メリット 内容 注意点
基礎控除が増える 3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算する 養子を何人でも算入できるわけではない
生命保険金の非課税枠が増える 500万円×法定相続人の数 受取人や契約形態の確認が必要
死亡退職金の非課税枠が増える 500万円×法定相続人の数 対象になる退職手当金があるか確認する
相続税の総額が変わる 法定相続人の数と法定相続分が計算に影響する 税額が必ず下がるとは限らない
財産を承継させたい人を相続人にできる 孫や子の配偶者、再婚相手の連れ子に相続権を与えられる 他の相続人の相続分が減る

相続税の基礎控除が増える

相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。養子縁組によって法定相続人の数が1人増えると、基礎控除額は原則として600万円増えます。

たとえば、法定相続人が配偶者と子1人の場合、基礎控除額は4,200万円です。ここに養子が1人加わり、相続税計算上も法定相続人に含められる場合、基礎控除額は4,800万円になります。課税対象となる財産額が減るため、相続税が下がる可能性があります。

ただし、基礎控除が増えるだけで相続税が必ず減るとは限りません。財産額や各人の取得割合によって税額は変わるため、事前の試算が必要です。

生命保険金と死亡退職金の非課税枠が増える

死亡保険金や死亡退職金には、それぞれ「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。養子が相続税計算上の法定相続人に含まれると、これらの非課税限度額も増える可能性があります。

たとえば、法定相続人が2人なら死亡保険金の非課税枠は1,000万円です。法定相続人が3人になれば、非課税枠は1,500万円になります。現金で残すより、生命保険を組み合わせたほうが税負担や遺産分割の面で有利になる場合があります。

ただし、生命保険は契約者、被保険者、受取人の設定によって課税関係が変わります。非課税枠だけを見て契約すると、期待した効果が得られないことがあるため注意しましょう。

相続税の総額が下がる可能性がある

相続税の総額は、課税遺産総額を各法定相続人が法定相続分どおりに取得したものとして計算します。そのため、養子縁組によって法定相続人の数や法定相続分が変わると、相続税の総額にも影響します。

相続税は累進税率で計算されるため、法定相続人が増えることで一人あたりの法定相続分に応じる取得金額が小さくなり、結果として税率が下がることがあります。

ただし、財産の分け方や各人の税額控除、2割加算の有無によって最終的な納税額は変わります。養子縁組をすれば必ず税額が下がるという理解は危険です。

孫や子の配偶者に財産を承継しやすくなる

養子縁組は、相続税だけでなく「誰に財産を残すか」という承継設計にも関係します。孫、子の配偶者、再婚相手の連れ子などは、何もしなければ相続人にならないことがあります。

たとえば、長男の妻が長年介護をしてくれた場合でも、長男の妻は通常、義親の法定相続人ではありません。財産を確実に残したい場合は、遺言書や生命保険の活用に加えて、養子縁組が選択肢になることがあります。

ただし、養子縁組によってその人は強い相続権を持ちます。遺留分や遺産分割にも影響するため、他の相続人とのバランスを考えることが大切です。

相続税計算で法定相続人に含められる養子の数には制限がある

相続税計算で法定相続人に含められる養子の人数制限をまとめた図解

民法上、養子は実子と同じ相続権を持ちます。一方で、相続税の計算では、法定相続人の数に含められる養子の人数に制限があります。これは、相続税の負担を不当に減らす目的で養子縁組が乱用されることを防ぐためです。

国税庁「No.4170 相続人の中に養子がいるとき」では、相続税の基礎控除額、生命保険金の非課税限度額、死亡退職金の非課税限度額、相続税の総額の計算について、法定相続人の数に含められる養子の数が制限されると説明されています。

被相続人の状況 相続税計算上、法定相続人に含められる養子の数
実子がいる場合 1人まで
実子がいない場合 2人まで

実子がいる場合は養子1人まで

被相続人に実子がいる場合、相続税の計算で法定相続人の数に含められる養子は1人までです。養子が2人以上いても、相続税の基礎控除や非課税枠の計算に入れられるのは原則として1人までです。

ただし、これは相続税計算上の人数制限です。民法上の相続権まで1人に限られるわけではありません。養子が複数いる場合、民法上はそれぞれが相続人になります。

この違いを理解していないと、「相続税の計算には1人しか入らないのに、遺産分割では複数の養子が相続人になる」という状況を見落とすおそれがあります。

実子がいない場合は養子2人まで

被相続人に実子がいない場合、相続税の計算で法定相続人の数に含められる養子は2人までです。実子がいない家庭では、養子縁組によって兄弟姉妹や甥姪ではなく、養子に財産を承継させる設計が考えられます。

実子がいない人が養子縁組をすると、養子が第1順位の相続人になります。その結果、親や兄弟姉妹が相続人にならなくなることがあります。相続税だけでなく、相続人の範囲そのものが変わる点に注意が必要です。

実子として扱われる養子の例外

相続税法上、一定の養子は実子として扱われ、養子の人数制限とは別に法定相続人の数へ含められます。代表例として、特別養子縁組により養子となった人や、配偶者の実子で被相続人の養子となった人などがあります。

たとえば、再婚相手の連れ子を養子にした場合、一定の条件のもとで実子として扱われる可能性があります。連れ子は、再婚しただけでは当然に相続人になるわけではありません。相続人にするには、原則として養子縁組が必要です。

家族関係が複雑な場合は、戸籍を確認しながら、誰が相続人になるのかを正確に整理しましょう。

節税目的が強い場合は否認リスクがある

国税庁は、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となる場合、その原因となる養子の数は法定相続人の数に含められないと説明しています。

つまり、形式上は養子縁組が成立していても、相続税を不当に減らす目的が強いと判断されると、税務上は否認リスクがあります。

実際には、養子縁組の目的、生活実態、家族関係、財産承継の合理性などが総合的に見られます。節税だけを目的にするのではなく、養子に財産を承継させる理由や家族内の合意を整理しておくことが重要です。

養子縁組で相続税が下がるか事前に確認したい方へ

養子縁組は、相続税の基礎控除や生命保険金の非課税枠に影響します。
一方で、孫養子の2割加算、養子の人数制限、親族間トラブルも関係するため、養子縁組前後の相続税額を比較してから判断することが大切です。
相続アシストでは、相続税申告と周辺手続きに関する相談をまとめて進められます。

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孫を養子にする相続対策は2割加算に注意する

孫を養子にする相続対策と相続税の2割加算の注意点をまとめた図解

相続対策として、孫を養子にするケースがあります。孫を養子にすれば、子を経由せずに孫へ財産を承継できるため、世代を一つ飛ばした相続設計が可能になります。

しかし、孫養子には相続税の2割加算という重要な注意点があります。相続税の計算では、被相続人の配偶者、父母、子以外の人が財産を取得した場合、原則として相続税額に20%相当額が加算されます。

国税庁「No.4152 相続税の計算」でも、被相続人の養子である孫については、子が被相続人の死亡以前に死亡している場合などを除き、2割加算が必要になると説明されています。

孫養子で相続税を一代飛ばしにできる場合がある

通常、祖父母の財産は子に相続され、その後、子が亡くなったときに孫へ相続されます。孫を養子にすると、祖父母から孫へ直接財産を承継できるため、相続が一代飛ばしになる場合があります。

この方法は、将来の二次相続や三次相続まで見据えると有効に見えることがあります。特に、子世代がすでに十分な財産を持っている場合や、事業・不動産を孫に承継させたい場合に検討されます。

ただし、一代飛ばしの効果だけで判断してはいけません。孫養子には2割加算があるため、複数世代の税額試算が必要です。

孫養子は相続税の2割加算の対象になることがある

孫を養子にした場合、その孫は民法上は養親の子として相続人になります。しかし、相続税の2割加算の判定では、実子とまったく同じ扱いになるわけではありません。

被相続人の子が存命で、その子の子である孫を養子にしている場合、孫養子が財産を取得すると、原則として相続税額が2割加算されます。これは、世代を飛ばして財産を取得することへの課税上の調整です。

一方、被相続人の子が先に亡くなっており、孫が代襲相続人になる場合などは扱いが異なります。孫養子の税額は、家族関係によって結論が変わるため、自己判断は避けましょう。

節税になるかどうかは試算しないと判断できない

孫養子は、基礎控除や非課税枠の増加によって税額が下がる可能性がある一方、2割加算によって税額が増える可能性もあります。そのため、実際に節税になるかは、試算しないと判断できません。

また、孫が若い場合、未成年者控除など別の税額控除が関係することもあります。財産の種類、不動産評価、生命保険の有無、他の相続人との分け方を含めて検討する必要があります。

孫を養子にする場合は、相続税の1回分だけでなく、将来の相続まで含めた長期的な相続対策として考えることが大切です。

養子縁組による相続トラブルとデメリット

養子縁組による相続トラブルとデメリットをまとめた図解

養子縁組には節税や財産承継のメリットがありますが、相続トラブルの原因にもなり得ます。特に、実子がいる家庭で養子縁組をすると、実子の相続分が減るため、不満が生じやすくなります。

相続対策では、税額を減らすことだけでなく、家族が納得できる形で財産を承継することが重要です。養子縁組をする前に、デメリットも必ず確認しておきましょう。

実子や他の相続人の相続分が減る

養子が増えると、法定相続人が増えます。その結果、実子や他の相続人の法定相続分は減ります。たとえば、配偶者と実子1人が相続人だった場合、実子の法定相続分は2分の1です。ここに養子1人が加わると、実子と養子の法定相続分はそれぞれ4分の1になります。

実子から見ると、自分が受け取れるはずだった財産が減ることになります。養子縁組の理由を知らされていない場合や、相続直前に養子縁組が行われた場合は、強い不公平感につながることがあります。

遺産分割協議がまとまりにくくなる

養子も相続人になるため、相続開始後の遺産分割協議には養子の参加が必要です。相続人が増えるほど、話し合いの調整は難しくなります。

特に、養子と実子の関係が薄い場合や、再婚家庭で連れ子を養子にした場合は、感情面の対立が起こりやすくなります。養子縁組をするなら、遺言書を作成して財産の分け方を明確にするなど、遺産分割トラブルを防ぐ準備が必要です。

離縁は簡単にできない

養子縁組をした後に関係が悪化したとしても、一方的に養子縁組を解消できるわけではありません。協議離縁には、養親と養子の合意が必要です。合意できない場合は、裁判上の離縁が問題になります。

相続対策として養子縁組をするときは、「後で変えればよい」と軽く考えないことが大切です。養子縁組は、税務上の手続きではなく、法律上の親子関係をつくる行為です。将来の人間関係まで見据えて判断しましょう。

養子縁組の有効性が争われる可能性がある

相続開始後、他の相続人から「本当に養子縁組をする意思があったのか」と争われることがあります。特に、高齢になってからの養子縁組、認知症の疑いがある時期の養子縁組、相続開始直前の養子縁組では注意が必要です。

養子縁組が無効と判断されると、相続人の範囲や相続税の計算が大きく変わります。本人の意思能力や養子縁組の目的を説明できるように、医療記録、家族への説明、専門家への相談記録などを残しておくと安心です。

養子縁組前に生まれていた養子の子は代襲相続に注意する

養子が養親より先に亡くなった場合、養子の子が代襲相続できるかどうかが問題になることがあります。養子縁組後に生まれた養子の子は、養親の直系卑属として代襲相続できる可能性があります。

一方で、養子縁組前に生まれていた養子の子は、養親との血族関係が当然に発生するわけではないため、代襲相続の扱いに注意が必要です。孫世代まで含めた承継を考える場合は、養子本人だけでなく、その子の相続関係も確認しましょう。

相続対策として養子縁組をする前に確認すること

相続対策として養子縁組をする前の確認事項をまとめた図解

養子縁組は、相続税対策、財産承継、家族関係のすべてに影響します。実行前には、税額の試算だけでなく、他の制度との比較、家族への説明、遺言書の有無まで確認することが大切です。

相続税額を養子縁組前後で試算する

まず行うべきことは、養子縁組をする前と後で相続税額がどの程度変わるかを試算することです。基礎控除や非課税枠が増えても、孫養子の2割加算や財産の分け方によって、最終的な税額が思ったほど下がらないことがあります。

財産総額、不動産評価、生命保険金、死亡退職金、相続人の人数を整理し、複数のパターンで比較しましょう。相続税対策では、数字で確認することが欠かせません。

遺言書や生命保険など他の対策と比較する

特定の人に財産を残したい場合、養子縁組以外にも方法があります。代表的なものは、遺言書、生命保険、生前贈与、家族信託などです。

たとえば、子の配偶者に感謝の気持ちとして財産を渡したい場合、養子縁組ではなく遺言書で遺贈する方法もあります。生命保険の受取人に指定することで、遺産分割を避けて一定の財産を渡せる場合もあります。

養子縁組は、相続人としての地位を与える強い効果があります。目的によっては、より負担の少ない方法が適していることもあるため、他の相続対策と比較して選びましょう。

家族への説明と遺産分割の方針を整理する

養子縁組をする場合、家族への説明が重要です。特に実子がいる場合は、養子縁組によって相続分が変わるため、説明がないまま相続が発生するとトラブルになりやすくなります。

誰に、どの財産を、どのような理由で承継させたいのかを整理し、必要に応じて遺言書に反映しましょう。家族全員が完全に納得するとは限りませんが、理由を明確にしておくことで、後日の争いを抑えやすくなります。

養子縁組の手続きと必要書類を確認する

普通養子縁組をする場合、原則として養親と養子の合意に基づき、養子縁組届を市区町村役場に提出します。成人を養子にする場合は、家庭裁判所の許可が不要なケースもありますが、未成年者を養子にする場合などは家庭裁判所の許可が必要になることがあります。

必要書類や手続きは状況によって変わります。戸籍謄本、本人確認書類、証人の署名などが必要になることがあるため、事前に役所へ確認しておきましょう。

相続対策として養子縁組を検討するときによくある質問

相続対策として養子縁組を検討するときのよくある質問をまとめた図解

ここでは、相続対策として養子縁組を検討する際によくある質問をまとめます。税額だけでなく、相続権や家族関係への影響もあわせて確認してください。

養子縁組をすれば必ず相続税は安くなりますか?

必ず安くなるわけではありません。養子縁組により基礎控除や非課税枠が増える可能性はありますが、孫養子の2割加算、財産の分け方、他の税額控除の有無によって結果は変わります。

相続税対策として検討する場合は、養子縁組前後の税額を比較し、本当に節税になるかを確認してから判断しましょう。

養子は何人まで相続税の計算に入れられますか?

被相続人に実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人までが、相続税計算上の法定相続人の数に含められる基本ルールです。

ただし、特別養子や配偶者の実子で養子になった人など、実子として扱われる例外があります。また、相続税の負担を不当に減少させる結果になる場合は、養子の数に含められない可能性があります。

孫を養子にすると相続税は安くなりますか?

安くなる場合もありますが、必ずではありません。孫を養子にすると、基礎控除や非課税枠が増える可能性があります。一方で、孫養子は相続税の2割加算の対象になることがあります。

一代飛ばしの承継による効果と、2割加算による負担を比較しなければ判断できません。将来の二次相続まで含めて試算することが大切です。

再婚相手の連れ子に相続させるには養子縁組が必要ですか?

原則として必要です。再婚しただけでは、再婚相手の連れ子と法律上の親子関係は生じません。そのため、連れ子は当然には相続人になりません。

連れ子に相続権を与えたい場合は、養子縁組をする方法があります。また、遺言書で財産を遺贈する方法もあります。どちらが適しているかは、家族関係や財産内容によって異なります。

普通養子縁組をすると実親の相続権はなくなりますか?

普通養子縁組では、実親との親族関係は原則として残ります。そのため、普通養子は養親の相続人になるだけでなく、実親の相続人にもなる可能性があります。

実親との相続関係を誤解すると、将来の相続人調査や遺産分割で混乱することがあります。普通養子縁組と特別養子縁組の違いを確認しておきましょう。

特別養子縁組では実親の相続はどうなりますか?

特別養子縁組では、原則として実親との親族関係が終了します。そのため、特別養子は通常、実親の相続人にはなりません。

特別養子縁組は、主に子の福祉を目的とする制度です。成人同士の相続税対策として使われる普通養子縁組とは制度趣旨が異なります。

養子縁組後に離縁することはできますか?

養親と養子が合意すれば、協議離縁ができます。ただし、一方が離縁に同意しない場合は、簡単に解消できません。裁判上の離縁が必要になることがあります。

養子縁組は、税務上の節税手段である前に、法律上の親子関係をつくる行為です。将来の関係変化も見据えて慎重に判断しましょう。

相続税対策と養子縁組の判断に不安がある場合は早めに相談する

相続税対策と養子縁組の判断を専門家に相談する流れをまとめた図解

養子縁組は、相続税の基礎控除や非課税枠を増やせる場合がある一方で、養子の人数制限、孫養子の2割加算、遺産分割トラブルなども関係します。
特に、実子がいる家庭、孫を養子にしたい家庭、再婚相手の連れ子に財産を残したい家庭では、税額だけでなく相続人関係も整理しておくことが大切です。

相続税申告や周辺手続きをまとめて相談したい場合は、相続アシストもあわせてご確認ください。

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まとめ

相続対策として養子縁組を検討するときの要点をまとめた図解

相続対策としての養子縁組は、相続税の基礎控除や生命保険金の非課税枠を増やせる可能性がある制度です。養子は実子と同じ相続権を持つため、孫、子の配偶者、再婚相手の連れ子などに財産を承継させたい場合にも選択肢になります。

一方で、相続税の計算で法定相続人に含められる養子の数には制限があります。実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人までが基本です。また、孫養子には相続税の2割加算が関係するため、節税になるかどうかは事前に試算しなければ分かりません。

養子縁組は、税金だけでなく家族関係にも大きな影響を与えます。実子の相続分が減る、遺産分割協議がまとまりにくくなる、離縁が簡単ではないといったリスクもあります。実行する前に、相続税額の試算家族への説明を行い、遺言書や生命保険など他の対策とも比較しながら慎重に判断しましょう。

参考:国税庁「No.4170 相続人の中に養子がいるとき」、国税庁「No.4152 相続税の計算

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