SWATS Consulting Group・税理士法人SWATS・SWATS法律事務所

無料相談受付中!!・お電話受付

0120-070-373
9:00〜17:00

相続税申告書の出資金の書き方|第11表への記入例と評価方法

公開日:2026/04/28
更新日:2026/08/06
Share

著者

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。

被相続人の財産にJA(農協)や信用金庫などの出資金が含まれている場合、相続税申告書への正確な記載が必要です。
出資金は預貯金とは性質が異なるため、どの付表に、どの金額で書くのかを先に確認しておきましょう。

相続税申告書の出資金でまず確認したいポイント
・JA、信用金庫、生協などの出資金は第11表の付表2に記載します
・合同会社や医療法人などの出資持分は付表4に記載するのが基本です
・評価額は相続開始日時点の価額で確認します
・同族会社などの出資持分は評価が複雑なため、専門家への確認も検討しましょう

この記事では、国税庁が定める様式に基づき、相続税申告書「第11表」への出資金の具体的な書き方、評価方法、および記入例を解説します。

相続放棄後の申告要否を税理士に確認する

目次

そもそも相続財産となる「出資金」とは?預貯金との違いを解説

相続財産となる出資金と預貯金の違い

出資金とは、協同組合(JA・生協)や信用金庫、合同会社などに対して、組合員や社員がその事業資金として拠出した金銭のことです。
出資者はその団体の構成員としての地位を得て、事業から得られた利益の配当を受け取る権利などを持ちます。

一方、預金は金融機関にお金を預けているだけであり、元本と利息の支払いが約束されている債権です。
出資金は元本が保証されない場合がある点で、預金とは根本的に性質が異なります。

そのため、被相続人名義の出資金は、名義預金とは異なり明確に本人の財産として相続税の課税対象となります。

〖結論〗相続税申告書で出資金を記入するのは第11表の付表

相続税申告書で出資金を記入する付表の解説

相続税申告において、出資金に関する情報を記入するのは「第11表 相続税がかかる財産の明細書」です。
この明細書は相続財産の内訳を詳細に記すためのもので、出資金の種類によって、さらにその付表である「付表2(有価証券用)」または「付表4(その他の財産用)」に記載します。

他の書類、たとえば第2表や第9表は、相続税額の計算や債務・葬式費用などをまとめるものです。
個別の財産明細を記入する場所ではないため、出資金は第11表の付表で整理しましょう。

出資金の種類 主な記載先 確認する資料
JA・信用金庫・信用組合・生協など 第11表 付表2(有価証券用) 出資残高証明書、出資配当金計算書など
合同会社・合名会社・合資会社・医療法人などの出資持分 第11表 付表4(その他の財産用) 取引相場のない株式(出資)の評価明細書など

JA・信用金庫の出資金は「付表2(有価証券用)」へ記載

JA(農協)、信用金庫、信用組合、生活協同組合(コープ)などの組合員としての出資金は、相続税法上、有価証券に分類されます。
そのため、申告書への記載は第11表の付表2(有価証券の種類、銘柄及び所在場所等)に行います。

この書式は上場株式や公社債などを記載する用紙ですが、出資金も同様にここに記入します。
出資金の種類を「出資金」、銘柄を「〇〇農業協同組合」のように具体的に記載し、評価額などを転記します。

同族会社などの出資持分は「付表4(その他の財産用)」へ記載

合名会社、合資会社、合同会社(LLC)といった持分会社への出資や、医療法人の出資持分は、JAなどの出資金とは扱いが異なります。
これらは「その他の財産」として分類されるため、第11表の付表4(その他の財産の種類、細目及び所在場所等)に記載が必要です。

これらの出資持分は、取引相場のない株式(非上場株式)に準じた複雑な評価が必要となるケースがあります。
評価額を算出したうえで、申告書に正しく転記しましょう。

出資金の評価方法|相続税申告書に記載する金額の計算手順

出資金の評価方法と計算手順

出資金を相続税申告書に記載する際の評価額は、相続開始日時点の価額で計算するのが原則です。
出資金の種類によって評価方法が大きく異なるため、それぞれの手順を正しく理解しておく必要があります。

国税庁の申告書様式でも、第11表付表2・付表4では財産の種類、所在場所、数量、価額などを整理して記載します。
最新の様式は「国税庁「相続税の申告書等の様式一覧」」をご確認ください。

JA(農協)や信用金庫の出資金の評価額を算出する方法

JAや信用金庫、生協などの出資金の評価は比較的シンプルです。
これらの出資金は、原則として相続開始日時点での払込済出資額をもって評価額とします。

これは、被相続人が実際に出資した金額(額面金額)と同じであることがほとんどです。
金融機関や組合から発行される「出資残高証明書」に記載された金額を、申告書の評価額として転記します。

<!

関連する判断ポイントは、相続税の配偶者控除とは?条件・評価額を税理士が解説でも詳しく解説しています。

関連する判断ポイントは、相続税の配偶者控除とは?適用条件・評価額の考え方・判断手順を整理でも詳しく解説しています。

同族会社など非上場の出資持分の評価額を算出する方法

同族会社や医療法人などの出資持分の評価は複雑です。
市場で売買されていないため、国税庁の通達に基づき「取引相場のない株式」の評価方法に準じて評価額を算出するケースがあります。

会社の規模や状況に応じて、類似業種比準価額方式、純資産価額方式、これらの併用方式、配当還元方式などを用いて計算します。
この評価計算を行うために、取引相場のない株式(出資)の評価明細書を作成し、その結果を申告書に転記します。

<!

このテーマの前提知識を整理したい場合は、相続税評価額とは?不動産・株式ごとの計算方法と注意点もあわせて確認してください。

相続税申告全体の流れや必要な準備を確認したい場合は、相続税申告の全体ガイドも参考になります。

〖記入例〗相続税申告書第11表への出資金の書き方

相続税申告書第11表への出資金の記入例

相続税申告書第11表の付表へ出資金の内容を記入する際は、国税庁が定める様式に従って正確に記載する必要があります。
出資金の種類、銘柄、所在場所(金融機関や会社の本店住所)、数量、評価額などを、必要書類を参照しながら転記しましょう。

第11表 付表2(有価証券用)への記入項目と記載例

JAや信用金庫の出資金を付表2に記載する場合、種類・銘柄・所在場所・金額を以下のように記入します。

項目 記載例
種類 出資金
銘柄 〇〇農業協同組合、△△信用金庫など
所在場所等 出資先の本店所在地
数量・単価・金額 出資口数、1口あたりの価額、総額

細目は、出資金の内容によって空欄でも差し支えないケースがあります。
ただし、申告内容を見た人が財産を特定できるよう、銘柄や所在地は正式名称で記載しましょう。

第11表 付表4(その他の財産用)への記入項目と記載例

同族会社の出資持分を付表4に記載する場合は、どの会社の出資であるかを具体的に示します。
種類は「出資」、細目は「〇〇合同会社への出資持分」のように書くと整理しやすくなります。

数量は原則として「1」とし、金額欄には事前に作成した評価明細書で算出した評価額を転記します。
評価明細書が必要になる場合は、申告書への添付も忘れないようにしましょう。

申告書の記載や資料収集をまとめて進めたい方へ

JAや信用金庫の出資金は比較的シンプルに評価できますが、記載する付表や金額を誤ると、申告内容に不備が出る可能性があります。
特に、同族会社の出資持分が含まれる場合や、ほかの相続財産とあわせて申告する場合は、申告前に付表・評価額・添付書類を整理しておくと安心です。
相続アシストでは、相続税申告と周辺手続きをまとめて相談できます。

相続税について誰に相談すべきか迷う場合は、「相続税は誰に相談するべきか」も参考にしてください。

相続放棄後の申告要否を税理士に確認する

出資金の相続手続きと申告前の準備

出資金の相続手続きと申告前の準備

相続税申告書の作成を始める前に、出資金に関する情報を正確に把握し、必要な手続きを進めておく必要があります。
預金通帳などには記載されていないことも多く、存在そのものを見落としがちです。

ここでは、申告準備として行うべき3つのステップを解説します。
第7表で扱うような債務とは異なり、出資金はプラスの財産として正確な把握が求められます。

ステップ1:被相続人の出資金の有無を確認する方法

まず、被相続人が出資金を持っていたかどうかを確認します。
自宅に残された書類の中から、JAや信用金庫、生協などからの「出資配当金計算書」や「総代会招集通知」といった郵便物を探すのが有効です。

また、預金通帳の取引履歴に配当金の入金記録が残っている場合もあります。
心当たりがある団体には、被相続人名義の出資金がないか直接問い合わせて確認しましょう。

ステップ2:残高証明書など必要書類を取り寄せる

出資金の存在が確認できたら、出資先の団体(JA、信用金庫、会社など)に連絡を取り、相続手続きに必要な書類を確認します。
相続税申告には、相続開始日(被相続人が亡くなった日)時点の価額を証明する出資残高証明書が重要です。

請求の際には、被相続人の死亡が記載された戸籍謄本や、請求者が相続人であることを示す書類などの提出が求められることがあります。

ステップ3:名義変更または解約・払い戻しの手続きを進める

相続人間で遺産分割協議がまとまったら、出資金の相続手続きを行います。
手続きには、相続人が組合員資格を引き継いで名義変更する方法と、組合を脱退して出資金の払い戻しを受ける方法の2つがあります。

どちらの手続きを選択するかは、各団体の定款や相続人の意向によって決まります。
金融機関所定の申請書、遺産分割協議書の写し、相続人全員の印鑑証明書などが必要となるのが一般的です。

出資金を相続税申告する際の3つの注意点

出資金を相続税申告する際の注意点

出資金の相続税申告には、預貯金や不動産とは異なる特有の注意点があります。
申告漏れによるペナルティ、資金化のタイミング、評価の複雑さなどを事前に理解しておくことが大切です。

申告漏れはペナルティ(加算税・延滞税)の対象になる

出資金は預金通帳に記載されないため、相続財産の調査で見落とされやすい財産の一つです。
しかし、故意でなくても申告から漏れてしまうと、税務調査で指摘された場合に過少申告加算税や延滞税の対象になることがあります。

相続税の申告期限は、国税庁によると相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
詳しくは「国税庁「相続税の申告と納税」」をご確認ください。

出資金の種類によっては払い戻し時期に制限がある

JAや生協などの出資金は、組合を脱退してもすぐに払い戻しが受けられない場合があります。
多くの組合では、定款により払い戻し時期が「事業年度の終了後」などと定められているため、手続きから現金化までに数か月から1年近くかかることもあります。

相続税の納税資金として出資金の払い戻し金を充てにしている場合は、払い戻しのスケジュールを事前に組合へ確認しておく必要があります。

自分で申告するのが難しい場合は税理士への相談も検討する

JAや信用金庫の出資金の評価と申告は比較的単純ですが、同族会社の出資持分などが含まれる場合は、その評価が専門的かつ複雑になります。
「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」の作成には高度な知識が必要です。

評価や申告書の作成に少しでも不安を感じる場合は、相続税申告に対応した専門家へ相談することを検討しましょう。
申告期限に不安がある場合も、早めに相談先を確認しておくと安心です。

相続税申告書の出資金に関するよくある質問

相続税申告書の出資金に関するよくある質問

ここでは、出資金の相続税申告に関して、多くの方が疑問に思う点を整理します。
申告書を作成する前に、対象になる財産や評価額の考え方を確認しておきましょう。

亡くなった父が生協(コープ)の組合員でした。この出資金も申告が必要ですか?

はい、申告が必要です。
生協(コープ)の出資金も相続財産に該当するため、相続税の課税対象となります。

JAや信用金庫の出資金と同様に、相続開始日時点の払込済出資額で評価し、申告書第11表の付表2(有価証券用)に記載しましょう。
見落としやすい財産のため、申告漏れがないように注意してください。

出資金の評価額に配当金は含める必要がありますか?

いいえ、出資金自体の評価額に配当金を含める必要はありません。
出資金の評価額は、あくまで相続開始日時点の払込済出資額(額面)です。

ただし、相続開始日時点ですでに受け取る権利が確定しているにもかかわらず、まだ支払われていない「未収配当金」がある場合は、出資金とは別の財産として申告が必要です。

出資金の申告漏れは税務署に気づかれますか?

税務調査などを通じて、税務署に把握される可能性があります。
税務署は、必要に応じて金融機関や会社に照会を行い、被相続人名義の財産を確認することがあります。

意図的でなくても申告漏れはペナルティの対象となるため、財産調査の段階で出資金の有無を確認し、正確に申告することが重要です。

相続税申告書の出資金の判断に不安がある場合は早めに相談する

相続税申告書の出資金の判断で相談できること

出資金がある相続税申告では、出資先の種類、評価額、必要書類、申告書の付表が関係します。
JAや信用金庫の出資金は比較的整理しやすい一方で、同族会社や医療法人の出資持分が含まれる場合は、早めに専門家へ相談すると安心です。

相続税申告や周辺手続きをまとめて相談したい場合は、相続アシストもあわせてご確認ください。

相続放棄後の申告要否を税理士に確認する

判断に迷う場合や手続きをまとめて相談したい場合は、相続アシストの詳細をご確認ください。

まとめ

相続税申告書の出資金の書き方まとめ

相続財産に出資金が含まれる場合、その種類によって相続税申告書への記載方法と評価方法が異なります。
JAや信用金庫の出資金は「有価証券」として扱い、第11表の付表2に額面金額で記載します。

一方、同族会社の出資持分は「その他の財産」として、評価計算を行ったうえで第11表の付表4に記載が必要です。
申告漏れはペナルティの対象となるため、財産調査の段階で出資金の有無をしっかり確認しましょう。

この記事を担当した税理士

税理士法人SWATS

代表 柴田 潤

経歴
関西大学商学部卒業後、2002年に税理士法人SWATSに入社。資産税・相続税を専門とし、税務と法務の両面から相続をサポート。登録番号:第132969号/近畿税理士会神戸支部所属。
一言
複雑な相続税申告や手続きは、専門知識と経験が不可欠です。税理士法人SWATSは法律事務所と連携し、安心のワンストップ対応を実現しています。

相続の概要や今後の流れをわかりやすくご説明します。相談は15分程度で全国どこからでもご参加可能です。
まずはお気軽に、お電話またはWebフォームにてお申し込みください。

0120-070-373 9:00〜17:00
(ご契約済みのお客様 078-272-1815)

Webフォームで予約

Ranking人気記事

Searchサイト内検索

All記事一覧

相続相談
お気軽に

お電話受付
Webフォーム予約