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相続税申告が不要なケースとは?遺産の基礎控除と0円でも申告が必要な特例

公開日:2026/05/12
更新日:2026/05/12

相続税の申告は、必ずしもすべての相続で必要になるわけではありません。
多くの場合は、故人が遺した遺産の総額が一定の金額(基礎控除額)を下回るため、申告が不要なケースに該当します。
しかし、税額が0円になる場合でも、特定の特例を適用するためには申告手続きが必須となるケースもあり、この違いを正しく理解しておくことが重要です。

この記事では、相続税の申告が不要になる条件や、税額が0円でも申告が必要な特例について解説します。

相続税の申告が不要になるのは「遺産総額が基礎控除額以下」の場合のみ

相続税の申告は不要となるのは、原則として「課税対象となる遺産の総額が、基礎控除額を下回る」場合のみです。
この条件を満たしていれば、税務署への申告や納税は一切必要ありません。
例えば、遺産が預貯金のみで明らかに3000万円以下であり、相続人が1人といったシンプルなケースでは、申告不要な場合に該当する可能性が高いです。

まずは遺産の総額と基礎控除額を正確に計算し、比較することが最初のステップとなります。

まずは相続税の基礎控除額を計算しよう【3,000万円+600万円×法定相続人の数】

相続税の基礎控除額は、すべての相続に適用される非課税枠のことで、以下の計算式で算出します。
基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
法定相続人とは、民法で定められた相続人のことです。
例えば、法定相続人が配偶者と子2人の合計3人であれば、基礎控除額は3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円となります。

相続人が子ども1人のみの場合は、3,000万円+(600万円×1人)=3,600万円が基礎控除額です。
遺産の総額がこの金額を下回っていれば、相続税はかかりません。

基礎控除額と比較する「課税対象の遺産総額」の計算方法

課税対象の遺産総額は、故人が遺したプラスの財産から、マイナスの財産や非課税財産を差し引いて計算します。
プラスの財産には、預貯金、不動産、有価証券、自動車などが含まれます。
一方、マイナスの財産としては、故人の借入金や未払いの税金などの債務が挙げられます。

また、葬式費用も遺産総額から差し引くことが可能です。
国や地方公共団体、特定の公益法人へ相続財産を寄付した場合、その寄付した財産も課税対象から外されます。

遺産総額に含めるのを忘れやすい財産に注意

遺産総額を計算する際、一部の財産は見落とされがちなので注意が必要です。
代表的なものに、故人が受取人となっていた生命保険の死亡保険金や死亡退職金があります。
これらは「みなし相続財産」とされ、「500万円×法定相続人の数」の非課税枠を超えた分が課税対象です。

また、不動産の評価額や、相続開始前3年以内の生前贈与も遺産総額に加算する必要があります。
なお、法改正により、2024年1月1日以降の贈与については、この加算期間が段階的に7年に延長されます。
さらに、相続時精算課税制度を利用して贈与された財産も加算の対象となります。

相続税が0円でも申告が必要になる特例【勘違いに注意】

相続税の計算上、税額が0円になったとしても、必ずしも申告が不要になるわけではありません。
特定の特例を適用した結果として税額が0円になる場合には、その特例の適用を受けるために相続税の申告をする必要があります。
この点を勘違いして申告を怠ると、後から特例が適用できなくなり、多額の税金やペナルティが発生する恐れがあるため注意が必要です。

特に代表的なのが「配偶者の税額軽減」と「小規模宅地等の特例」の場合です。

「配偶者の税額軽減」を適用する場合

「配偶者の税額軽減」は、故人の配偶者が遺産を相続する場合に適用できる非常に大きな控除制度です。
具体的には、配偶者が取得した遺産額が「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のいずれか多い金額までであれば、相続税はかかりません。
多くのケースでこの特例により配偶者の相続税は0円になりますが、適用を受けるためには、納税額が0円であっても必ず相続税の申告書を税務署に提出する必要があります。

「小規模宅地等の特例」を適用する場合

「小規模宅地等の特例」とは、故人が住んでいた土地や事業を営んでいた土地などを相続した場合に、その土地の評価額を最大で80%減額できる制度です。
この特例を適用することで、課税対象の遺産総額が基礎控除額を下回り、結果として相続税が0円になるケースは少なくありません。
しかし、この特例も申告が適用要件とされているため、利用する際は必ず期限内に相続税の申告を行わなければなりません。

【補足】申告しないと上記の特例は適用されない

前述した「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」は、相続税の申告を行うことが適用の絶対条件です。
相続開始を知った日の翌日から10ヶ月という申告期限内に申告をしなかった場合、これらの強力な特例は一切適用できなくなります。
その結果、本来であれば0円だったはずの相続税を納めなければならなくなるだけでなく、無申告加算税や延滞税といったペナルティも課されることになり、負担が大幅に増加するリスクがあります。

申告不要でも税額が0円になる控除

特定の控除制度を適用した結果、相続税額が0円となる場合には、相続税の申告が不要となるケースがあります。これらは相続人の状況に応じて適用されるもので、申告をしなくとも税額計算上、納税額が発生しない場合に該当します。具体的には、障害者控除や未成年者控除などがこれにあたります。

障害者控除で相続税が0円になる場合

相続人が法律上の障害者である場合、「障害者控除」が適用されます。
この控除額は、その相続人が85歳になるまでの年数1年につき10万円(特別障害者の場合は20万円)で計算されます。
この障害者控除を適用した結果、算出された相続税額が0円になり、かつ課税遺産総額が基礎控除額を下回る場合には、相続税の申告は不要です。

控除額が本人の相続税額より大きく、引ききれない場合は、扶養義務者の相続税額から差し引くこともできます。

未成年者控除で相続税が0円になる場合

相続人が未成年(2022年4月1日以降の相続では18歳未満)である場合には、「未成年者控除」が適用されます。
控除額は、その未成年者が18歳になるまでの年数1年につき10万円で計算されます。
この控除を適用することで相続税額が0円になり、かつ遺産総額が基礎控除額以下であれば、申告は不要となります。

障害者控除と同様に、控除額が本人の税額を超える場合は、その超えた分を扶養義務者の相続税額から差し引くことが可能です。

相次相続控除で相続税が0円になる場合

「相次相続控除」は、10年以内に2回以上の相続が連続して発生した場合に、前回の相続で課された相続税の一部を今回の相続税額から控除できる制度です。
二重課税の負担を軽減する目的があります。
ただし、この相次相続控除は、相続税の申告をすることによって適用される制度です。

そのため、この控除を適用した結果として税額が0円になったとしても、申告手続き自体は必要となる点に注意が必要です。

相続税申告が不要でも発生する相続手続き一覧

相続税の申告が不要であったとしても、故人の財産を相続人が引き継ぐための手続きがなくなるわけではありません。
遺産相続の手続きは、相続税の申告とは別個のものです。
まず、遺言書の有無を確認し、なければ相続人全員で遺産の分け方を話し合う「遺産分割協議」を行い、その内容をまとめた遺産分割協議書を作成する必要があります。

これらの手続きを経て、各財産の名義変更などを進めていきます。

預貯金口座の解約や名義変更

故人名義の預貯金口座は、死亡の事実を金融機関が把握した時点で凍結され、入出金ができなくなります。
この凍結を解除し、預貯金を解約または名義変更するためには、所定の手続きが必要です。
一般的に、金融機関指定の申請書類のほか、故人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、そして遺産分割協議書と相続人全員の印鑑証明書などを提出する必要があります。

不動産の相続登記(名義変更)

故人が所有していた土地や建物などの不動産は、法務局で所有権移転登記(相続登記)を行い、名義を相続人に変更する必要があります。
この手続きには、戸籍謄本一式や遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書、新しい名義人となる人の住民票、固定資産評価証明書などが必要です。
なお、2024年4月1日から相続登記は義務化されており、正当な理由なく怠った場合には過料が科される可能性があります。

株式や自動車などの名義変更

預貯金や不動産以外にも、株式や投資信託、自動車、ゴルフ会員権など、名義変更が必要な財産は多岐にわたります。
株式であれば証券会社、自動車であれば運輸支局といったように、財産の種類ごとに手続きの窓口や必要書類が異なります。
それぞれの手続き先へ問い合わせを行い、個別に名義変更を進めていく必要があります。

これらの手続きも、遺産分割協議が完了していることが前提となります。

税務署から「相続税についてのお尋ね」が届いたときの対応方法

相続が発生してから数ヶ月後、税務署から「相続税についてのお知らせ」や「相続税の申告等についてのご案内」といった書類が送られてくることがあります。
これは国税庁が市区町村役場から提出される死亡届の情報を基に、相続税申告が必要と思われる家庭に送付しているものです。
この「お尋ね」が届いたからといって、必ずしも申告義務があるわけではありません。

申告不要な場合でも「お尋ね」が届く理由

税務署は、故人の生前の所得税申告状況や所有していた不動産の情報など、KSK(国税総合管理)システムで管理している情報から、遺産が高額であると見込まれる相続人に対して「お尋ね」を送付します。
しかし、これはあくまで機械的な抽出であり、個々の家庭の債務状況や生命保険の非課税枠などを考慮したものではありません。
そのため、実際には基礎控除額以下で申告が不要なケースでも、お尋ねが届くことは十分にあり得ます。

「相続税の申告要否検討表」の書き方と提出の流れ

同封されている「相続税の申告要否検討表」などを確認し、自身のケースが明らかに申告不要であると判断できた場合は、その書類に必要事項を記入して税務署に返送します。
記載内容は、預貯金や不動産といった財産の概算額や、法定相続人の数などです。
この検討表を提出することで、税務署に対して「計算の結果、遺産総額が基礎控除額以下だったので申告は不要です」と回答したことになり、その後の問い合わせを避けやすくなります。

「お尋ね」を無視した場合に起こりうること

「自分は申告不要だから」という理由で「お尋ね」を無視するのは避けるべきです。
返送がない場合、税務署は申告漏れを疑い、電話で問い合わせをしてきたり、場合によっては税務調査の対象として優先的にリストアップしたりする可能性があります。
申告が不要な場合でも、税務署にその旨を伝えることで、無用な疑いをかけられるリスクを減らすことができます。

誠実に対応することが重要です。

【リスク】申告が必要なのにしなかった場合のペナルティ

本来、相続税の申告が必要であるにもかかわらず、期限内に申告をしなかった場合、意図的であるかどうかにかかわらず「無申告」とみなされ、厳しいペナルティが課されます。
ペナルティには、本来納めるべき税額に加えて課される「加算税」や、納付が遅れたことに対する利息に相当する「延滞税」などがあります。
これらの追徴課税により、納税額が大幅に膨らんでしまう可能性があります。

本来の税額に上乗せされる「無申告加算税」

無申告加算税は、法定申告期限までに申告書を提出しなかった場合に課される税金です。ただし、特定の要件を満たす場合は課されないことがあります。

令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税(令和5年分以降)の場合、無申告加算税の税率は以下の通りです。

* **税務調査の事前通知を受けた後に申告した場合:**
* 納付税額のうち50万円までの部分には10%
* 50万円を超え300万円以下の部分には15%
* 300万円を超える部分には25%
* **税務調査で指摘されてから申告した場合(調査による更正等の予知後):**
* 納付税額のうち50万円までの部分には15%
* 50万円を超え300万円以下の部分には20%
* 300万円を超える部分には30%

なお、過去に無申告加算税などを課されたことがある場合や、帳簿の記載状況によっては、上記の税率に10%または5%が加算されることがあります。

税務調査の通知前に自主的に期限後申告をした場合、税率は5%に軽減されます。 この軽減措置が適用されるには、法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、かつ、納付すべき税金の全額を法定納期限までに納付していること、および過去5年間で無申告加算税などを課されたことがないなどの要件をすべて満たす必要があります。

納付が遅れると発生する「延滞税」

延滞税は、法定納期限(申告期限と同じ)の翌日から実際に税金を納付する日までの日数に応じて課される、利息に相当する税金です。
税率は年によって変動しますが、納付が遅れれば遅れるほど、日割りで加算されていきます。
無申告の場合は、申告書の提出が遅れたこと自体に対する無申告加算税と、納付が遅れたことに対する延滞税の両方が課されることになります。

財産隠しなど悪質な場合に課される「重加算税」

ペナルティの中でも最も重いのが重加算税です。
これは、意図的に財産を隠したり、事実を偽って申告しなかったりするなど、特に悪質なケースに適用されます。
無申告の場合に課される重加算税の税率は40%と非常に高く、本来の税額に加えて大きな負担を強いられます。

税務署の調査能力は高く、預金移動の履歴などから不正は見抜かれる可能性が極めて高いです。

相続税申告 不要に関するよくある質問

相続税の申告が不要かどうかを判断する際には、多くの人が似たような疑問を抱きます。
特に、遺産総額が基礎控除額に近い場合や、相続放棄をした人など、個別の事情に応じた質問が多く見られます。
ここでは、相続税申告の要否に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

遺産総額が基礎控除額ギリギリです。念のため申告した方が良いですか?

遺産総額が基礎控除額を1円でも下回っていれば、法律上の申告義務はありません。
したがって、申告は不要です。
ただし、不動産評価の誤りなどで後日、基礎控除額を超過するリスクが懸念される場合は、税理士に相談し正確な財産評価を行うことをおすすめします。

相続放棄をした場合、相続税の申告は必要ですか?

相続放棄をすると、民法上は初めから相続人ではなかったものとみなされます。これにより、遺産を一切取得する権利がなくなり、同時に納税義務も負いません。ただし、相続税法上は、基礎控除額や生命保険金・死亡退職金の非課税枠を計算する際に「相続放棄がなかったものとした場合の相続人の数」として扱われるため、相続放棄をした場合でも相続税の申告が必要になる場合があります。これは家庭裁判所で相続放棄の申述が正式に受理されていることが前提です。

申告が必要だと後から気づきました。期限を過ぎていても申告できますか?

はい、申告期限を過ぎてしまった場合でも「期限後申告」として申告が可能です。
ペナルティを最小限に抑えるため、気づいた時点ですぐに申告することが重要です。
税務調査の通知が来る前に自主的に申告すれば、無申告加算税が軽減される措置があります。

まとめ

相続税の申告が不要になるのは、原則として課税対象の遺産総額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算される基礎控除額を下回る場合です。
ただし、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」を適用して税額が0円になる場合は、申告手続きが必須となるため注意が必要です。
申告要否の判断や財産の評価に迷った際は、後々のトラブルを避けるためにも、専門家である税理士に相談することをおすすめします。

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