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相続放棄がある場合の相続税申告書の書き方|記載例で注意点を解説

公開日:2026/04/28
更新日:2026/04/28

相続人の中に相続放棄をした人がいる場合、相続税申告書の書き方が通常と異なり、注意が必要です。
特に、法定相続人の数え方や、生命保険金など「みなし相続財産」の扱いは税額に影響します。
申告書の作成は複雑な判断を伴うため、この記事で基本的な書き方を解説しますが、個別の事情に応じて税理士などの専門家への相談も検討してください。

相続放棄をしても相続税の申告が必要になる2つのケース

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相続放棄をすれば、すべての納税義務が無くなると考えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
相続放棄をした人自身が相続税の申告・納税をしなければならないケースや、他の相続人が提出する申告書に氏名などを記載する必要があるケースが存在します。
主に、以下の2つのパターンが該当します。

ケース1:生命保険金や死亡退職金(みなし相続財産)を受け取った場合

そのため、相続放棄をしても受け取ることが可能です。
しかし、税法上はこれらを「みなし相続財産」として扱い、相続税の課税対象となります。

このみなし相続財産の額が相続税の基礎控除額を超える場合、受け取った本人が相続税の申告と納税をしなければなりません。

ケース2:他の相続人が申告義務を負う場合

相続放棄をした本人に納税義務がない場合でも、他の相続人が相続税の申告を行う際には協力が必要です。
相続税申告書には、相続を放棄した人を含めたすべての法定相続人の情報を記載する欄があります。
したがって、申告書を作成する他の相続人から、氏名やマイナンバーなどの情報提供を求められることがあります。

申告は相続人全員が共同で行うのが原則であるため、手続きが円滑に進むよう対応が求められます。

相続放棄が相続税の計算に与える5つの影響

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相続放棄は、相続税額の計算において、特定の非課税枠の適用可否などに影響を与える場合があります。これらのルールを知らないと、納税額を誤って計算してしまう可能性があります。

これは特定の一人だけではなく、相続人全員に関わることなので、人ごとと考えずに正確な知識を共有することが重要です。

影響1:基礎控除の計算では法定相続人の数に含める

相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という計算式で算出されます。
この計算において、相続放棄した人がいても、その人は法定相続人の数に含めて計算します。
税法上、相続放棄はなかったものとして法定相続人の数をカウントするためです。

したがって、相続放棄によって基礎控除額が減少し、相続税の総額が増えるということはありません。

影響2:生命保険金や死亡退職金の非課税枠は適用できない

生命保険金と死亡退職金には、「500万円×法定相続人の数」で計算される非課税枠があります。
しかし、この非課税枠を適用できるのは、財産を相続した「相続人」に限られます。
相続放棄をした人は相続権を失っているため、たとえ生命保険金などを受け取ったとしても、この非課税枠を利用することはできません。

受け取った金額の全額が課税対象となります。

影響3:借金などを差し引く債務控除は利用できない

相続放棄をすると、プラスの財産だけでなく、被相続人が残した借金や未払金といったマイナスの財産を引き継ぐ義務も免れます。
相続税の計算では、通常、引き継いだ財産からこれらの債務を差し引く「債務控除」が適用されます。

しかし、相続放棄者は債務を承継しないため、債務控除を利用することもできません。
これは、みなし相続財産から借金を差し引いて課税価格を減らすことができないことを意味します。

影響4:未成年者控除や障害者控除は適用が可能

相続放棄をした人が生命保険金などを受け取って相続税の納税義務者となった場合でも、一定の要件を満たせば未成年者控除や障害者控除といった税額控除の適用が可能です。
これらの控除は、法定相続人であるという身分に基づいて適用されるため、相続権を放棄しても利用できます。
控除額は、その人が未成年である期間や障害の程度に応じて計算されます。

影響5:相続税が2割加算される対象者になることがある

相続税の2割加算は、被相続人の配偶者と一親等の血族(子や親)以外の人が財産を取得した場合に、納付すべき相続税額が2割増しになる制度です。
相続放棄をした人がみなし相続財産を受け取った場合、その人は相続人ではないため、2割加算の対象者となります。
また、第一順位の相続人(子など)が全員相続放棄したことで、第二順位の相続人(兄弟姉妹など)が財産を相続した場合も、その兄弟姉妹は2割加算の対象です。

【記載例付き】相続放棄があった場合の相続税申告書の書き方

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相続放棄があった場合の相続税申告書は、通常の申告書と異なる点がいくつかあります。
特に法定相続人の数え方やみなし相続財産の記載方法には注意が必要です。
ここでは、国税庁が公開している令和6年分以降用の様式を基に、主要な申告書の具体的な書き方とポイントを解説します。

第1表(相続税の申告書):財産を取得しなくても相続放棄者の氏名を記載

相続税申告書の中心となる第1表には、相続放棄した人の情報も記載する必要があります。
財産を一切取得していなくても、氏名、住所、マイナンバー、続柄などを「財産を取得した人」の欄に記入します。
取得財産の価額は「0円」と記載してください。

また、申告書とあわせて提出する第1表の付表1「最も大きな割合で財産を取得した人」の欄にも、相続放棄した人を含めた法定相続人全員の情報を書きます。

第2表(相続税の総額の計算書):法定相続人の数に放棄した人を含めて計算

相続税の総額を算出する第2表では、「法定相続人の数」を正しく記載することが重要です。
前述の通り、相続税の計算上、相続放棄はなかったものとして扱います。
そのため、2表の上部にある「法定相続人の数」の欄には、相続放棄した人を含めた人数を記入します。
この人数を基に相続税の総額が計算されるため、間違えると税額全体に影響が出てしまいます。

第9表・第10表(生命保険金・退職手当金等の明細書):非課税枠は適用せず金額を記入

相続放棄した人が生命保険金や死亡退職金を受け取った場合、第9表(生命保険金等の明細書)や第10表(退職手当金等の明細書)にその内容を記載します。
重要なのは、非課税枠の扱いです。

相続放棄者は非課税枠を適用できないため、9表の「非課税金額」の欄は0円または空欄とし、受け取った金額の全額を「課税される金額」の欄に記入することになります。

第11表(相続税がかかる財産の明細書):受け取ったみなし相続財産を記載

第11表は、各相続人が取得した財産の詳細を記載する書類です。
相続放棄者が生命保険金などのみなし相続財産を受け取った場合は、この第11表にその財産の種類、細目、所在場所、数量、単価、価額を記入します。
「取得した人の氏名」欄には相続放棄者の名前を記載し、誰がどの財産をいくら受け取ったかを明確にします。

第15表(相続財産の種類別価額表):相続人全体の財産状況を記入

第15表は、被相続人のすべての財産を種類別に集計し、その合計価額を記載する一覧表です。
この表は個々の相続人が取得した財産ではなく、相続財産全体の状況を示すものです。
第11表や第3表、4表、5表、8表などの各明細書で計算した財産の価額を転記して作成します。

相続放棄の有無にかかわらず、被相続人が所有していた全財産を漏れなく計上する必要があります。

相続放棄があった場合の申告で必須の添付書類

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相続放棄があった場合の相続税申告では、通常の申告に必要な戸籍謄本や印鑑証明書などの添付書類に加えて、相続放棄の事実を証明するための書類が必須となります。
相続放棄をすると、その人は遺産分割協議に参加しないため、遺産分割協議書に署名・押印することはありません。
その代わりに、相続人でないことを公的に証明する書類の提出が求められます。

「相続放棄申述受理証明書」を家庭裁判所で取得して提出する

相続放棄をした事実を税務署に対して証明するために、「相続放棄申述受理証明書」を申告書に添付します。
この書類は、相続放棄の手続きを行った家庭裁判所に申請することで取得できます。
または、手続き完了時に家庭裁判所から送付される「相続放棄申述受理通知書」のコピーでも代用可能です。

この添付書類により、なぜその人が遺産分割協議に参加していないのかを客観的に示すことができます。

相続放棄と相続税申告に関するよくある質問

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相続放棄と相続税申告の手続きは複雑で、多くの疑問が生じやすい部分です。
ここでは、国税庁のウェブサイトなどで示されている情報も踏まえ、特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
具体的な疑問点を解消し、スムーズな手続きを進めるための参考にしてください。

相続放棄したのに、なぜ生命保険金は受け取れるのですか?

生命保険金は、保険契約に基づき受取人に支払われる「受取人固有の財産」だからです。
これは民法上の相続財産とは異なるため、相続放棄をしても受け取ることが可能です。
ただし、税法上は「みなし相続財産」として扱われ、相続税の課税対象になる点には注意が必要です。

兄弟全員で相続放棄した場合、相続税の申告は誰が行いますか?

子である兄弟全員が相続放棄すると、次順位の相続人(被相続人の父母や祖父母、それでもいなければ兄弟姉妹)が相続権を得ます。
その新たな相続人が財産を相続し、相続税の申告義務を負います。
最終的に相続する人が誰もいなくなった場合は、家庭裁判所が選任する相続財産清算人が申告手続きを行います。

相続放棄の手続きと相続税の申告期限はどちらを優先すべきですか?

相続放棄の手続きを優先してください。
相続放棄の申立て期限は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」と非常に短いです。
一方、相続税の申告期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」であり、比較的時間の余裕があります。

まとめ

相続放棄をした人がいる場合、相続税の申告書作成や計算方法は通常と大きく異なります。最も重要な点は、基礎控除の算出において相続放棄がなかったものとして法定相続人の数をカウントする一方で、放棄した本人は生命保険金の非課税枠を適用できないといった、税法上の特例を正しく理解することです。 申告書の作成にあたっては、第1表への氏名記載や第2表での人数計算、さらに相続放棄申述受理証明書の添付など、実務的なルールが細かく定められています。記載漏れや計算誤りは、後々の修正申告や加算税のリスクにつながるため、制度の仕組みを正しく把握した上で手続きを進めることが大切です。

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